「8月の家族たち」(感想/ネタバレあり)

「8月の家族たち」
原題:August: Osage County
監督:ジョン・ウェルズ
脚本:トレイシー・レッツ
原作:トレイシー・レッツ『August: Osage County』
製作:ジョージ・クルーニー
グラント・ヘスロヴ
ジーン・ドゥーマニアン
スティーヴ・トラクスラー
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
撮影:アドリアノ・ゴールドマン
編集:スティーヴン・ミリオン
製作会社:スモークハウス・ピクチャーズ
配給:ワインスタイン・カンパニー
アスミック・エース
公開:2013年12月27日(アメリカ)
2014年4月18日(日本)


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あらすじ:父親が失踪したので親戚集合

感想
「…うん。」ってかんじでした。
親戚が集まってご飯を食べるという出来事は私自身最近あった出来事で色々と重なる部分もあって終始こんなかんじ。個人の秘密が家の中で次々と暴露されて物語が展開していくのはどこか、映画「8人の女たち」を彷彿とさせます。あぁ、あれも舞台が原作でしたね。

親戚とか家族特有の「心の距離感」が痛い映画でした。「ママ、愛してるわ。」と娘は母に言いつつ心はもう完全に離れているのがありありとわかる。私はまだ実家暮らしなのですが、一人暮らしとか実家を出て結婚された方とかはもっと痛いと思います。結局親戚や家族といっても「血縁関係もしくは婚姻関係のある他人」が寄り添って形成されているわけで、それを形成しているのは「1人の人間」なんですよね。だから誰にでも秘密はあるし、踏み込んでほしくない領域もあるわけで。それを「私は何でも知ってるのよ」と暴露されちゃたまらないと。

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何でも知ってるメリル・ストリープ

彼女が家族の秘密を暴露すればするほど家族は離れていってしまうのですが彼女は引き止めたかったのかなかと。暴露しすぎるあまり自分の隠しておけねばならない秘密も暴露してそれを引き金に物語は終結を迎えるわけですが。

秘密を話した妹に姉が言います。
「言ってくれればよかったのに。
私達は姉妹よ。」
妹が答えます。
「そこまで親しくないわ。」

この作品の象徴のような台詞でした。
そうなんですよ。そうなんです。
「家族」だからって心の距離をゼロにしなければならないなんて義務も法律もないのにね。でもどこかいつも皆それを義務と考えてしまっているような。

じゃあもう「血縁」ってなんだろうねっていう。

あー、しばらく悩みそうです。
皆さんも見てモヤモヤすればいいよ!

キャストが豪華すぎますが演技が素晴らしいのであまり気になりません。メリル・ストリープはTHE メリル・ストリープ様ですが…

「実家に帰ってきなさい」とよく言われる貴方。観てきてください。