Assassinsあらすじ


リバイバル版の英語wikiのあらすじを元に書いたものです。
1992年にオフ・ブロードウェイで公演されたものとは少々異なります。

幕が上がるとそこは射的場で人の形をした的がベルトコンベアーで運ばれている。憂鬱な顔をした人間が1人、また1人と射的場に入ってくる。射的場のオヤジが彼らに射的をするように勧める。「大統領を殺したら『解決』するぞ」と。(Everybody's Got the Right)レオン・チョルゴス、ジョン・ヒンクリー、チャールズ・J・ギトー、ジュゼッペ・ザンガラ、サミュエル・バイク、リネッテ・"Squeaky"・フロンミー、サラ・ジェイン・ムーアはオヤジにそれぞれそそのかされて銃を手に取る。ジョン・ウィルクス・ブースが最後に射的場に入ってくる。射的場のオヤジは彼を紹介する。「彼が大統領殺しのパイオニアだ」と。暗殺者達は銃を"標的"に向けるとリンカーンが登場したと告げられる。ブースは退場し、ほどなくして銃声が聞こえる。ブースの叫び声も「専制者は常にかくのごとし!(ラテン語バージニア州のモットー)」

バラード歌手が登場する。彼は「アメリカンドリーム」を具現化した存在である(本作品では狂言回し的な役割をする役)。彼はジョン・ウィルクス・ブースの物語について話し始める(The Ballad of Booth)
場面が変わり1865年にリチャードの小屋になる。リンカーンを暗殺し、逃亡していたブースは小屋に逃げ込んだが通報により軍に包囲されてしまっていた。ブースはひどく興奮していて足に怪我を負っていた。彼はリンカーンを殺した理由を日記に書こうとするがペンが持てず書くことができない。ブースは投降するよう勧める友人ヘラルドに銃を突きつけ書くように脅す。ブースはリンカーン南北戦争を起こし南部を荒廃へ導いたと口述し、書かせる。そこにバラード歌手が間々に茶々を入れる。「ブースの実際の動機は彼の個人的な問題から来ている」と。軍が投降するよう言うとヘラルドはブースを見捨てて外へ出て行く。自暴自棄に陥ったブースはバラード歌手に日記を投げ渡す。「お前なら私の物語を世界に話すことができるから」と。バラード歌手はブースの日記に書いてある弁明を朗読し始める。ブースの同時に自分たちの起こした行動が国(南部)を救うに値しなかったと嘆く。軍が小屋に火を放ったとき、ブースは銃で自殺を図る。バラード歌手は「ブースは国を傷つけられたと怒り、その矛先が大統領暗殺という思いつきになっただけのただの狂人だ。」と締めくくり、ブースの日記帳からページを破って燃やす。

場面が変わり、バーに暗殺者達が集っている。ギトーは合衆国大統領に乾杯し、自分がフランス大使になるという念願を話す。ザンガラは胃の痛みを訴える。ブースはルーズベルト大統領を撃てば治ると提案する。唐突にヒンクリーが瓶を割る。チョルゴスは彼が働いていた瓶工場で起こった恐ろしい話をする。瓶を作るために何人もの人が死に、何人もの人が負傷したと。その一つをヒンクリーが割ったと。ギトーは冗談っぽく違う仕事を探しなよと言う。そして2人は自分たちのアメリカンドリームについて話す。ギトーは「アメリカを守るために」、チョルゴスは「政府のいう『機会』とは所詮全部ウソだ。」といい、怒って瓶を手に取り床に叩きつけようとするがこらえ、別の部屋に投げる。ブースはチョルゴスに自分の運命をコントロールするには瓶を割ればいいとチョルゴスを駆り立てる。しかしチョルゴスは瓶を割ることはできなかった。

ラジオから射的場のオヤジの声がしてザンガラがルーズベルト大統領を暗殺しそこない、代わりにシカゴ市長を殺したと説明する。5人の見物客が代わる代わるインタビューを受け、自分が大統領を助けたと主張する(How I Saved Roosevelt)電気椅子に括り付けられたザンガラは自分は恐がっていないこと。彼は自分を気にかけてくれなかった「金銭をコントロールしている奴」を殺しただけだとわめく。死刑執行時にカメラマンがいないことについてザンガラは苛立つ。ザンガラは電気椅子で処刑され見物客たちはカメラに向かって誇らしげにポーズしている。

アメリカのアナーキスト無政府主義者)たちのリーダーであるエマ・ゴールドマンの演説を聞いていたレオン・チョルゴスはうっとりしていた。彼は自分の彼女に愛の告白をするが彼女はその情熱を社会の正義のために向けるように言う。彼女が旅立つ準備をしているとき、チョルゴスは彼女の荷物を持とうとするが「彼ら(政府)は私たちを召使にしているわ。だから私たちはお互いをそうするべきじゃないの。」といって断る。その言葉は後々になってもチョルゴスの胸に残ることとなる。

フロンミーとムーアは公園のベンチでマリファナを吸いながら井戸端会議をしている。フロンミーは自分の恋人のチャーリー・マンソンについて話す。ムーアは持ってきたケンタッキー・フライドチキンを食べる。ムーアは自分がFBIの資料提供者だったことや会計士だったこと、5人の夫と3人の子供がいることを話す。彼女たちはお互いに自分の父親についての恨みを箱に描いてあるカーネル・サンダースを父親と重ね、撃ち殺そうと笑いながら半狂乱で箱に発砲する。そのうちフロンミーの心酔するチャーリー・マンソンがムーアの高校の同級生であることがわかり、あまりの偶然に2人は悲鳴を上げる。

チョルゴスは銃を作るのに沢山の人の手がかかっているという。製鉄所の鉄粉砕機や工場が銃を作るだけ為に動いていると。ブース、ギトー、そしてムーアが彼のカルテットに参加してたった1つの銃が世の中を変える力を持っていると歌う(Gun Song)チョルゴスは自分の銃を大統領を暗殺するために使うと決心する。

チョルゴスは1901年の博覧会に赴く、音楽パビリオンでマッキンリー大統領が握手会をしているのを見るためだ。バラード歌いはチョルゴスが握手をする列に並んでいるときにチョルゴスの人物像について歌う(The Ballad of Czolgosz)自分の番が来たときにチョルゴスはマッキンリー大統領に発砲する。

サミュエル・バイクは公園のベンチに座っていて柵を立てる杭を鞄に入れている。やがてテープレコーダーに自分の声を吹き込み始めた。レオナルドへのメッセージだ。自分が作ったラブソングが世界を救うこととハイジャックをしてホワイトハウスに突っ込みニクソン大統領を殺そうとしていることを話す。彼はレオナルドが他のセレブ達同様に自分を無視すると訴える。段々と怒りをあらわにしたサミュエルはベンチから立ち上がりウェストサイドストーリーのコーラスに乗せて怒り歌う。

ジョン・ヒンクリーは部屋にいてあてもなくギターをかき鳴らしている。フロンミーが入ってきて1曲弾いてとせがむが断られる。フロンミーは部屋にあるジョディ・フォスターの写真に気が付きジョンはジョディは自分の恋人だと言う。しかしヒンクリーがその写真が映画の一部分から引っ張った写真であることがわかると会ったこともない女と恋仲なわけがないと馬鹿にする。ジョンはフロンミーを追い出し、1人になるとジョディへの愛を歴史的な勇気ある行動で証明するとラブソングにのせて誓う。フロンミーも同じくチャーリーへの想いを歌う。(Unworthy of Your Love)部屋の後ろにレーガン大統領の絵が現れ激昂したヒンクリーは何度も絵に向かって発砲するが絵は再び現れる。射的場のオヤジがレーガン大統領の名言を引用してヒンクリーが失敗するたびに皮肉る。(レーガン大統領は撃たれた後にそれをネタにしたジョークを数多く残しています)

射的場の裏ではギトーがムーアといちゃついていた。キスをしてくれれば射撃術のコツを教えるとギトーは言うがムーアがこれを断ると急に怒りだし奇妙なことを口走る。「次のフランス大使になるのは私だった」と。場面が変わり電車の駅になる。ギトーはガーフィールド大統領と会い、自分をフランス大使にしてくれるかと聞くが断られる。断られたギトーは素早くガーフィールド大統領に向かって発砲した。

ギトーは逮捕され絞首台に送られる。そこで彼は朝に書いた「私は神の国へ行く」という詩を朗読する。バラード歌手が現れ、ギトーの裁判やイカレた性格について歌う。ギトーもバラード歌手と共に歌い、最期に吊るされる。

フロンミーとムーアはジェラルド・フォード大統領を暗殺する準備をしていた。ムーアは9歳になる自分の息子(騒ぐのでムーアが銃を向けて脅す)と愛犬(ムーアが誤射して殺してしまう)を連れてきて口論になる。ムーアが誤って銃弾をこぼしてしまい、それを2人で拾っているとフォード大統領が現れるがいきなりつまずいて転ぶ。自分のことは置いておいて銃弾を拾うのを手伝った大統領はお礼を言う2人に名前を告げる。標的が現れたことにやっと気づいた2人は必死に発砲(とはいっても持っていた銃弾をバンバン言いながら大統領に向かって投げる)が失敗する。

サミュエルは飛行機をハイジャックするために車を飛ばしていた。彼はニクソン大統領に宛てたメッセージをテープレコーダーに吹き込む。当時のアメリカの暮らしや社会について。アメリカ社会はいつも嘘をつくとも。そしてそれらの解決方法はニクソン大統領を暗殺することだと言う。

暗殺者達がまた射撃場に集まっている。彼らは動機を口々に列挙する。サミュエルにつられて彼らは自分が手に入るはずだった褒美を求める。バラード歌手が現れ、彼らがとった行動(大統領暗殺)は何の問題の解決にもならなかったと言う。自暴自棄に陥った彼らはもう1つの国歌を歌う(Another National Anthem)それはアメリカに夢を奪われた者たちへの敗者の歌である。バラード歌手は彼らが自分たちを満足させるためにそう思い込もうとしているのだろうとするが声はますます大きくなりバラード歌手を追い出してしまう。(2004年版ではバラード歌手は暗殺者達に囲まれて観客から見えないようにされます。そこでバラード歌手はオズワルドに姿を変えます。)

場面はテキサスの教科書倉庫の6階。オズワルドが現れる(白いTシャツにジーンズ姿)。自殺の準備をしていたオズワルドだったがブースに邪魔される。オズワルドが消したラジオをつけ直すと、ケネディ大統領の空港到着の様子が実況で流れてくる。オズワルドはブースが自分のことについてよく知っているのに驚く。ブースは慎重にゆっくりとオズワルドをジョン・F・ケネディ大統領を暗殺するように説得する。ブースは他の暗殺者達を呼びつける。ブースがオズワルドに他の暗殺者達とは違う「暗殺者」になるように言うがオズワルドは断る。ブースは未来をオズワルドに話し始める。ヒンクリーの部屋が捜索されたときにオズワルドについて書かれた伝記が見つかったと。ブースは(暗殺者達の)未来がオズワルドの手にかかっていると言う。オズワルドは部屋から出て行こうとするがザンガラがイタリア語で叫んで引き止める。他の暗殺者が通訳するにはオズワルドのする行動によって暗殺者達はまた「生き返る」のだと懇願していた。暗殺者たちは「オズワルドは世界を深い悲しみに陥れる力を持っている。そしてその悲しみは決して癒えることはない」と言う。ラジオの実況が再び入り、ケネディ大統領を乗せた車がだんだん彼のいる建物に近づいてくる。ついに意を決したオズワルドは、窓からライフルを向け、引き金を引く。
(November ,22 1963)

ケネディ暗殺にショックを受けた国民たちが嘆く。たった1人の男が死んだだけで合衆国は変わってしまった。それは永遠に戻ることはない。
(Something Just Broke)

射撃場に暗殺者が再び集合する。そこにオズワルドもいる。彼らは誇らしげにモットーである「 Everybody's Got the Right」を歌いあげる。銃に弾を装填し空に向かい発砲して物語は終わる。
(Everybody's Got the Right -Reprise)


追記:

一部改訂してウィキペディアに投稿しました。