ロンドン旅行記②


搭乗したのはブリティッシュエアウェイズ。勿論エコノミークラスだ。



乗り込んで腕時計を現地時間に合わせる。体内時計では昼なのに時計は深夜。変なのと思う。スリッパに履き替え、着圧ソックスを履いてすぐ1時間ほど仮眠。起きて時間がまったく進んでいないのを見てがっかりする。イギリスへの道のりはうんざりするほど長い。通路側にしといてよかったと思う。トイレに行くのが楽だし通路側に少しだけ足を投げ出すことも出来る。その代わりに隣の人達がトイレに行きたいときにはいちいち移動しなければならないけれど。お隣さんは欧米人の太っちょのお父さんと可愛い娘さんで離陸するときに手を繋いでキャッキャッしていたり楽しそうだった。まだ不安で心がまるでボロボロのハンカチみたいになっていた私は彼らが手を繋いでるのを見て「私も繋いでくれよう。」と思う。ちなみにこの機内で3回くらい泣いた。最後には泣き止むというか泣き飽きた。客室乗務員が飲み物を運んできてくれたのでウーロン茶をもらう。



機内食(夕食)。チキンを選択して渡してもらったのがこれ。からあげが不思議な味。あんまり美味しくない。ご飯の味がしないので塩をかけて食べる。サラダはツナと茹でたライスをマヨネーズで和えたものでレモンを絞って食べるとなかなかイケる。コーヒーも美味しかった。あとデザートのガトーショコラがとっても美味しかった!しっとりしていて甘すぎではなくかけてあるベリーソースとの相性も抜群によかった。あれだけまた食べたい。配られた水は炭酸水で炭酸の飲めない私は空港でミネラルウォーターを買っておいてよかったと思う。テレビで映画「ジャージー・ボーイズ」を見る。機内テレビで見れた映画は他に「ゴジラ」「LUCY」「Boyhood」「If I stay」など。日本語対応しているものは邦画か洋画でも全部吹き替えだった。字幕はないのか。「テルマエ・ロマエ」「アメイジングスパイダーマン2」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」などがあった。しばらく映画を数本見て過ごす。隣の親子を見るとシートを少し倒してぐっすりと寝ていたので私も真似して少しだけ倒してみる。腰が痛かったのだ。すると後ろから
「ファック、ファックファックファックマイアス!」
と声がした。多分「なんてこった畜生!このやろうふざけんな!」という意味だろう。ギョッとして後ろを見るとエコノミークラスのシートにはとても収まりきらないだろうと容易に想像できるような男性が座っていた。おそらく140kgくらいあるんじゃないんだろうか。初罵倒である。ただでさえ不安で情緒不安定の私はややパニックになる。よくわからないのでそのままにしているとその男性が立ち上がりこちらに来て私をじっと見てこう言った。
「どうもありがとさん。」
「ワァ嫌味だこれ。」とすぐに察する。男性がそのままトイレに行ってしまったのでどうしたもんかと悩む。パニックはまだ続行中。しばらくして彼がトイレから帰ってきたので何か言わなきゃと後ろを向くと
「お前が後ろにシートを倒したら狭くなるから戻さんかいコラ」
みたいなことを言われ慌てて指でOKサインを示してシートを戻した。このエピソードを後日、海外旅行慣れしている友人に話すと「そういうときは客室乗務員に『後ろのお客さんから罵倒されて困っている。彼の身体にあのシートは窮屈そうなので他のシートを探してあげてほしい』って言うのよ!そうすればビジネスクラスに行けたかもしれないのにもったいない!トラブルは有効活用しなきゃ!!それかシート全部倒しちゃえばよかったのに。」と言われる。色々とショックな出来事ではあったがネタとしては美味しかったので結果オーライである。
眠れないので映画を見続ける。バニラアイスが配られる。パッケージを見ると千葉産。どうでもいいかもしれないがホームシックな私としては「日本産!」と嬉しくなる。美味しかった。シートをまっすぐに立てているままなので腰がとても痛い。客室乗務員が飲み物を配っていたのでオレンジジュースをもらう。映画を2本ほど見たあたりで
隣の親子が起きて入国審査カードを書き始めたので私も一緒に書き始める。全然わからなかったので「あってる?」とか「ここに何を書けばいいのかわからないので教えてください」とか言って教えてもらう。


機内食(昼食?)パスタを選択。不思議な味。水がゼリーみたいな容器に入っているのがなんだか可笑しい。コーヒーは美味しい(2回目)パスタやパンをなんとか胃に詰め込んで到着を待つ。無理やり詰め込んだので気持ち悪い。映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を見終るくらいにちょうど到着した。映画の感想としては「なんかトム・クルーズが繰り返し頑張ってたよ。」とだけ書いておこう。暇潰しにはなった。シートベルトを外し、自分の荷物を抱えて12時間お世話になった隣の親子ともお別れ。トイレに行くたびに私にニッコリ微笑んでくれた貴方たちに私はとても救われましたありがとう。


行きの飛行機だけでこれだけ書くってどういうこと。
次は入国審査からホテルチェックインするまでを書ければと思う。