V6 LIVE TOUR 2017 The ONES 感想 〜時計の針は止まらない〜


     


2017年9月10日(日) 17:00公演

大阪城ホール


V6 LIVE TOUR 2017

The ONES


2年ほど前、帰宅してテレビをつけるとTBSによる番組「学校へ行こう! 2015」が放送されていた。少ししか見れなかったけれど懐かしさと嬉しい気持ちで胸がいっぱいになって心の底から「ありがたいなぁ」と思った。私の記憶の中では「学校へ行こう!」は小学生の頃の番組で当時は毎週楽しみにしながら見ていて次の日の休み時間の話題といえばそれで持ちきりだった。休み時間のゲーム(みのりかリズム4、愛してるゲームなど)も飽きるまでやり倒したしパークマンサーやジョンレノソなどのギャグも友だちと真似をして笑い転げていたこともある。とても楽しかった。


しかし、私も成長して中学生になって気付けば「学校へ行こう!」も知らないうちに終わっていて高校、大学へと進学して、私の娯楽の中心がテレビからインターネットへと移行していって社会人になって、この番組のことも忘れてしまっていた。V6のこともごく稀に音楽番組で見る程度で正直「あ、まだグループ活動やってたんだ」と思っていた。だからこそかもしれない。2015年に復活した「学校へ行こう!」を見て


「ありがたいなぁ」と思った。

当時に活躍していた人たちが今もまだ変わらず元気でいる姿に。立派な大人になっていることに。当時の番組そのままの面白さをまた作り上げてくれた制作スタッフに。


そしてV6に。


小学生のときに「常にハイテンションで面白いことをやっているお兄ちゃん達のグループ(時々歌って踊る)」と思っていた彼らが今も1つのトップアイドルグループとして存在していることに。私が「学校へ行こう!」を見なくなっていても、成長して大人になっても、彼らが彼らとしてしっかりと時を刻んでいることに。さすがに当時のような若さと破茶滅茶っぷりはなかったけれど、いつも楽しそうな空気感が変わらずあった。


懐かしいなぁ。ありがたいなあ。

いい番組だった。楽しかったな。


そんな感想を抱いて終わったが、それからすぐあとに音楽番組の生放送でバク転をしているV6を見て驚愕した。


え、ちょっと待って

今V6って何歳だっけ


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「V6 結成20周年

メンバー平均年齢 38歳」


待て、待て待て

バリバリ最前線にいるじゃん


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「メンバーの井ノ原快彦はあさイチのMCとしてジャニーズ初の帯番組の…」


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森田剛は舞台俳優として…」


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以下省略。


なんとなくアルバムを購入する。

ついでにコンサートDVDも購入する。


見る。


V6すげえええええええぇ!!!!!!

ジャニーズってすげえええええぇ!!

(ハマる)



物の見事に私が今まで抱いていたジャニーズへの偏見をぶち壊してくれた。プロフェッショナルのステージパフォーマーとしてコンサートという1つの作品を作り上げていくV6に撃ち抜かれた。


それからなんやかんやでV6のファンクラブに入ったり、長野さんや森田さんが出る舞台を観にいったり他のグループのコンサートへ行ったりして(私は担当掛け持ちの兼業ジャニーズオタクです)、「V6のコンサートいつやってくれるのかな。早く行きたいな」と心待ちにしていた。


待った。それはもう待った。


ハマったのが2015年で、2016年はグループとしてシングルを1枚出したきりでステージパフォーマンスとしての仕事は朝日ドリームフェスティバルのフェス参加のみ。メンバー個人の仕事は色んなところであるけれどグループとしての活動は他のグループに比べてあまりにも少ない。…ジーザス!


私は待った。それはもう待った。

日にちにして678日間

時間にして16,272時間

分単位でいうと976,320分




自担のうちわデビューを


ジャニーズを好きになってから「あの担当の顔写真がプリントされている巨大なうちわ」を持ってコンサートへ行くことに強い憧れがあって、初めて持つとしたらそれは生まれて初めて好きになったジャニーズグループであるV6のコンサートで森田剛さんのうちわを持つのだと決めていた。そして、今こうして、うちわとペンライトを持った私がV6のコンサート会場にいる。


う、う、嬉しい

めちゃくちゃに嬉しい


めちゃくちゃに嬉しかったので同行者である姉に「嬉しいよ〜〜!!!嬉しい!見て見て!森田剛さんのうちわ!初めての!自担うちわ!嬉しい!!」としつこいくらい何度も何度も言ってしまった。姉は半ば呆れながらも「よかったねえ。」と嬉しそうにしてくれた。それも嬉しかった。


どんなジャンルでも自分の持っていた世界を壊してを一気に知らなかった世界へと切り開いてくれる存在の人、というのが私には色々いて、中学生のときに当時宝塚歌劇団月組トップスターだった瀬奈じゅんさんを好きになってステージエンタメや劇場へ足を運ぶことの楽しさを知ったし、高校生の時にはFF7クラウド・ストライフさんを好きになっていわゆるオタクになって関連ゲームをやり込んだり書籍を貪り読むようになったし、大学生の頃に映画「レ・ミゼラブル」を見てアンジョルラス役でアーロン・トヴェイトさんとエポニーヌ役であるサマンサ・バークスさんを好きになって初の海外旅行を1人で強行(しかも個人手配)して2人が出る舞台をロンドンまで観に行くということまでしでかしたし、それでロンドンのことを大好きになって舞台を観るために3年連続で渡英するようにもなった。好きなことを好きだと主張することの楽しさも、ツイッターやブログを始めるようになったのも彼らが世界に存在してくれたからに他ならない。オタクって最高、オタクって楽しい。


話が逸れた。つまり、私にとってV6は「ジャニーズ」という世界を教えてくれた存在で唯一無二の存在だった。森田さんも私が初めて「担当」という概念を持った存在で、だから、もう、とにかく嬉しかった。ある意味では夢が叶ったといっても過言ではない。会場にいる沢山の人たちがV6を観に来ているのだと思うとそれも嬉しかった。





ではいざ、開幕。






終演。






ハッピーーーーーーーーーーー!!!!!!!!V6好きになってよかったーーーーーーー!!!!森田剛さん好きになってよかったーーーーー!!!

生きててよかったーーーーー!!!地球に生まれてよかったーーーーーーー!!!!


イェエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!



私の中の幸福度が限界を超えてしまったので終演後に気づけば「産んでくれてありがとう。今まで育ててくれてありがとう。最高に幸せです。」とメールを送っていた。結婚式前夜の花嫁か。



本心を言う。

「まだ超えてくるのか」と思った。グループの平均年齢が40歳を超えた彼らがこれでもかと踊る。休みなく踊る。歌う。ステージパフォーマンスグループの最前線に常にいるV6がコンサートにかける情熱とプライド。そして「The ONES」のセットリストに込められた今これからのエンタメへの宣戦布告をするその覚悟と攻めの姿勢を一切崩さない強かさに震えた。各メンバー個人の仕事の知名度が高い6人が6人でいる理由をこれでもかというほど明確に打ち出していることにも感動した。あとV6マジで、本気で、最高に、かっこよかった。気象庁が色気とスタイリッシュさの大雨洪水警報出さないと危ないんじゃないかと思うくらいかっこよかった。


きっと今の多様化しすぎた娯楽やステージエンタメの中において常に全力で挑み続けていないとすぐに飽きて捨てられるということをその世界で生きてきた彼ら自身が1番よく理解していて、だからこそV6だけができるパフォーマンスを追求している。無駄なものを削ぎ落として洗練されているパフォーマンスにはもはや殺気のようなビリビリとした緊張感を感じ取って鳥肌が立った。それでいてヒット曲である「愛なんだ」や「HONEY BEAT」ではとびきりの明るい笑顔でファンに対して惜しげもない愛や感謝を表現しているそのギャップに打ちのめされてしまった。彼らはいつだってそこに彼らとして、V6としていてくれた。


MCで機関銃のように話す井ノ原さんと終始楽しそうにしながら会話をする5人を見て2年前にあの「学校へ行こう! 2015」を見たときと同じように「ありがたいなあ」と感じた。常にニコニコとしているリーダー坂本さんが印象的だった気がする。無理して6人でいるわけでもなくて6人でいることが当たり前でこれからも当たり前なんだろうなと想像できるくらい安心感のあるほんわかとした雰囲気だった。「絆」といった言葉では陳腐に感じられてしまうような、言葉にできない何かが彼らにはあってすごく嬉しいのとすごくそれが羨ましい気持ちがごちゃ混ぜになって胸にズシンときた。



6人が出会って、グループになって

グループとして活動して

そこから各個人として活動して


温もりを知って、傷を負って

感謝を抱いて、後悔を引きずって


彼らは追求し続ける。


そこに何があるのか。既に手にしたものなのか。

その答えは彼らだけが知っているのかもしれない。


今コンサートは同タイトルである新アルバム「The ONES」を引っさげてでのコンサートツアーだ。それに収録されている曲「Answer」が私は1番好きだ。


白か黒か答えなんてない

決めるのはいつも自分次第

他の誰でもない

辿り着いた現在(いま)が証

That's my Answer. 歩いてく

枝分かれした人生(みち)を

今 賽は投げられた




彼らの時計の針は止まらない