はじめてのカウコン

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ジャニーズにハマってかれこれ3年ほど経つがジャニーズカウントダウンコンサート(通称:カウコン)をリアルタイムでテレビ視聴したことがない。ハマって1年目のときには自担であるV6のグループとしての初出場した紅白歌合戦も見ておらず2年目も見れなかった上に録画の画質設定を失敗するというミスを犯した。大げさかもしれないがジャニオタとしてこれらはアイデンティティの関わる重大な危機である。では「なぜお前はジャニオタというのに見ていないのか」と問われればその答えは実に簡単で日本にいなかったからだ。ミュージカルやストレートプレイ(芝居)を好む私は年末になると渡英し、冬季休暇をフルに使ってギチギチの日程の中で劇場に足を運ぶというルーティンを繰り返していたのでリアルタイムも何も時差がある土地にいるので見れなかったのである。ちなみに家族から「V6出てるよ」と紅白歌合戦の画像が送られてきたときは思わず世界の中心ならぬロンドンの中心で「V6が見たい」と叫んだ。恥である。いろんな方面に申し訳ない。つまり、毎年この時期になると私は舞台オタとしての私をとるのかジャニオタとしての私をとるのかで非常に悩むことになるのだが、3年目にもなる去年は渡英の予定を立てることがなかった。というのにカウコンのチケットを申し込み忘れるという失態。なんたること。仕方ないので今年は家で紅白歌合戦からのカウコンをテレビで見ることにするかとあれやこれやと私が考える最強の大晦日を練り上げていたところ、姉(彼女もまたジャニオタである)がチケット当選したから一緒に行こうと声をかけてくれた。姉よ、愛してる。

大晦日。始発の新幹線で東京へ向かい、そのままディズニーへ行って1日満喫しつつそのまま東京ドームへ向かったが体力はもうほとんど残っておらずボロボロで近くのベーカリーカフェで大量に砂糖を入れたミルクティーと菓子パンを胃の中に収め、付け焼き刃としてリポビタンDを飲んで体力のドーピングをはかった。こんな状態で楽しめるのかと不安がる私に姉が「リポビタンDよりもジャニーズの方が効く」と自信満々で言う。今思えば「こいつは何を言っているんだ」であるが、その日ほとんど寝てなかった私は「わかった。なら大丈夫」と神妙に頷いていた。姉も私も疲れていた。

東京ドームへ向かう電車の中で嵐のコンサートグッズと思われるカバンを持った人やKAT-TUNのコンサートグッズらしきペンライトがカバンから顔を出している人がいてなんとなく電車の中が既にカウコンの雰囲気である。遠足は帰るまでが遠足とよく言われるがカウコンは行くときからもカウコンなのかと少しずつ自分の中の気分があがっていく。最寄駅に到着するともうそこはジャニオタの聖地と化していて年齢や担当グループが異なる多種多様な女性たちが各々自担グループと思われるウチワを持って撮影したり語り合ったりしていて何となくこちらも浮かれる。姉がカウコンのウチワを欲しいと言うので私もついていった。なんとなく「私は今回買うのはV6だけでいいかな」(私はV6、ジャニーズWEST、Hey!Say!JUMP、岡本健一さんが好きないわゆる掛け持ちファンである)と思っていると姉が「ええ!買わないの!ありえない!」と驚くので「だって買ってもそんなに見直したり眺めたりしないし…」と応えると「違う!買うのが楽しいのに!何故買わぬ!カウコン来ないと買えないのに!?欲しいなら買う!それでいいの!」と言われ、確かにそうだなと思い自担グループである3グループのウチワを購入しようと物販に並ぶ。隣のお姉さんがSexyZoneのウチワを買っていてチラリと見た私。うむ、かっこいい。素晴らしくかっこいいではないか。そして気づけば「あ、SexyZoneのウチワもお願いします。」と口走っていた。あれ、おかしい。1枚だけ買うはずだったウチワが何故か4枚になっている。私はSexyZoneの曲をほとんど知らないジャニオタだというのに買ってしまった。全世界のセクガルさん、おすすめ曲あれば教えてください。別の物販場所でグッズを買っていた姉と合流する。私を見てドヤ顔をする姉。ウチワを大量に買ったジャニオタの妹を眺めるのはさぞかし楽しかろうと思っていたら「見て。自担がかっこいい」と間髪入れず彼女の自担ウチワを突き出された。そっちかよ。せっかくだから東京ドームを背景にウチワ持って写真を撮ろうとウチワを広げる私と姉。近くにいた人に「撮りましょうか」と声をかけてもらったのでササッと撮ってもらった。すごい。ジャニオタ優しい。近くには警察官が拡声器を駆使しながら誘導していて「素敵なジャニーズたちに見られても恥ずかしくないように皆さんも素敵な移動をよろしくお願いします。」とか他にもジャニーズの有名曲のタイトルを使っていた。面白かったので少しだけ耳を傾けつつ2人で笑った。ハロウィンとかで有名な警察官の人なのかな?

東京ドームに入ったあとは楽しすぎてあまり記憶がないのだが(マジでリポビタンDよりもジャニーズが効いたことは書いておく)、驚いたのはテレビで見るカウコンと実際に会場入りして体験するカウコンは大きく違うということだった。以下箇条書きにする。

 

テレビで見るカウコン

・ジャニーズがいっぱい出てくる

・コラボとか色々楽しい

・カウントダウン楽しい

 

会場入りして体験するカウコン

・ジャニーズが怒涛のように出てくる

・びっくりするくらい出てくる

・見たい人がいっぱい出てくる

・パフォーマンスしていなくてもいる

・待機とか移動している

・動いている。話している

・カメラに映ってなくても小ネタを挟んでいたりパフォーマンスしている人もいる

・ジャニーズを見ているジャニーズ楽しい

・目が足りない。双眼鏡を持つ腕が足りない

・ペンライトとウチワを持つ腕も足りない

・見たものを処理する脳が足りない

・なんかもう自分が足りない

・堪能するために自分が100人くらい欲しい

こんなかんじ。とにかくジャニーズというジャニーズがワラワラと出てくるし東京ドームは広いので正面ステージ、センターステージ、サイドステージ、バックステージにそれぞれ見たい人がいると何もかもが追いつかない。視野の限界を超えたい。超広角レンズと拡大レンズを目に装備したい。テレビ放送で映ってない美味しいところが多すぎる。個人的に放送されなくて残念だったのはジャニーズシャッフルメドレー(各グループが自分たちの曲ではなく他のグループの曲をパフォーマンスするメドレー。とても楽しい)のHey!Say!JUMPがバックステージでKis-My-Ft2の「キ・ス・ウ・マ・イ 〜KISS YOUR MIND〜」を歌っていたときにキスマイタワー(ググってください)をしていてメインステージでKis-My-Ft2が本家キスマイタワーをしていてその2つが放送されたのだが、実はセンターステージでジャニーズWESTもキスマイタワーをやっていて。それはもう楽しそうにやっていたので出来れば映像に残しておいてほしかったなぁ。無念である。

あ、カウコンに参戦しているジャニオタたちが色んなグループのオタ芸を網羅していてそれも参加して初めてわかったことである。というか習得するのが異様に早かったというか。なんてジャニーズ学の偏差値が高い集団なんだ。素敵。

例えば、Kis-My-Ft2の「SHE!HER!HER!」という曲で「キスマイ!」という合いの手を入れるタイミングが何回かあるのだが

・1回目のタイミング

「She! Her! Her! She! Her! Her! She! Her! Her!」

キスマイ担「 キスマイ!」

・2回目のタイミング
「She! Her! Her! She! Her! Her! She! Her! Her!」

会場の大勢「「キスマイ!!!」」

といった具合で「ノれるものは全力でノる」というジャニオタの楽しむことに対する熱量に感動した。V6の「Music for the People」に至っては会場ほぼ全員が「フッフー!」と合いの手を入れており、「すごい…本当にすごい…ジャニオタってすごい…」とひとしきり感動してしまった。さて、カウコン全体としての感想はもう私の2018年エンタメ総選挙ぶっちぎりの1位確定なくらい楽しくて多幸感に溢れたものだったに尽きるけれど、コンサートとしてのクオリティはやはり各グループ単体の方が断然に高いと思う。世界観とかセトリとかあるしパフォーマンスレベルもやはりリハーサルを重ねているのといないのでは大きく違う。よってカウコンはどちらかといえば「完成された作品を観に行く」ものではなく「みんなで楽しく盛り上げて作り上げていくもの」という雰囲気が強く、カウントダウンパーティーに学園祭(文化祭)を混ぜたようなものだと思った。その分、放送されない前半部分の各グループ単体による自分たちの曲のパフォーマンスには舌を巻いた。あと東山紀之さんとジャニーズJr.のやつも動きが揃っていて実にかっこよかったです。帝劇クオリティ。そういえばKAT-TUNの活動再開が発表されたときに隣にいた姉が号泣しながら私の腕をこれでもかというくらい握りしめていて、私の左腕の筋繊維に彼女の指がめり込んでいるのではないかと思うほどだった。本音を言おう。本気で痛かった。けれど「よかった…よかった…。」と泣きながら喜んでいる姉を見ると「よかったねぇ」としか言えなくなってしまい、私の左腕1本くらいくれてやっても別によかろうという気持ちにまでなってしまった。

終演。姉と2人で楽しかった楽しかったと言い合いながらまた物販へ赴き、ウチワをまた購入した。買ったのは私である。キスマイウチワである。いや、あの、だってキスマイのパフォーマンスがあまりにもかっこよかったものですから…仕方ないじゃん…。

ジャニーズカウントダウンコンサートはめちゃくちゃに楽しかった。会場全体のあのワクワクとした雰囲気や観客や参加しているジャニーズたちの楽しい気持ちの相互作用はどんな栄養ドリンクよりも私を元気づけて幸福にしてくれた。安っぽい言葉になってしまうけれど「2018年も頑張るぞ」という気持ちになれたし今もその気持ちは継続している。ジャニーズにハマってからそのジャンルの大きさと情報量の多さに困惑することも多かった。光が大きければその分闇も深くなり、あれだけ膨大な量の愛を受け取ることができる代わりに果てしない憎悪だってぶつけられるであろうジャニーズ。日本の娯楽ジャンルの中で最大規模である彼らを取り巻く状況や彼ら自身に対して色んな意見や要望が日々叫ばれているけれど、間違いなくあのカウントダウンコンサートにいたときの感動や多幸感は本物で素晴らしいものであったということを私は言いたい。素晴らしかった。あれだけの「好き」を集めた空間は他では再現できないだろう。それくらいの「大好き」があの中にはあってそれぞれの「カウコン楽しかった」が今の私と同じように日々の生活の中でも支えとなっている。すごい。愛だ。愛である。まさしくAll you need is Loveの世界だった。

 

ジャニオタの皆様

そうではない皆様

2018年あけましておめでとうございます

今年もエンタメを摂取して私は生きます

 

 

オマケ

カウコンのために作ったうちわ

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ありがとうございました。

本当にありがとうございました。