夢か現か

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2020年も半分が終わってしまった。4月とまではいかないが7月も上半期の終わり、下半期の始まりということで何となくソワソワして落ち着かないものである。

誰しもが書いているだろうが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によって世界が大きく変わってしまった上半期だった。では私個人ではどうだったのか。

1月は元日に休みをもらえたので地元に帰省していた夫に会いに行った。夫は大晦日の数日前から帰省していた。よって、新婚さんというのに1人きりで年末年始を過ごしていたのだ。なんというか虚しいというか、ものすごく心細かった。その日の帰り、駅まで車で送ってくれた夫に「一緒に帰ってくれないの?」と駄々をこねたが、「明日には帰るのに…?」と笑われた。

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2月。ミュージカル「CHESS」のために夜行バスで東京へ行ったりしたのも楽しかった。夜行バス明け(?)の帝国ホテルのクロワッサンは素晴らしかった。ミュージカルの内容や演出はさておき、私の世界一大好きな女優が来日してパフォーマンスしてくれていて「これでサマンサ・バークスも頻繁に来日するミュージカルスターの仲間入りだ!」と勝手に思い込んでいたのだが、世界がこうなってしまった今、彼女が今度いつ来日するかもわからないし、私も渡英できるのかわからない。海外旅行がうんと遠くなってしまったなあ…。

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2月といえば結婚式!そう!私と夫の結婚式!本当に本当に楽しかった。無事に挙式を終えてから2日後くらいに大企業がリモートワークに切り替えると発表して、そこから次々とコンサートの公演中止や遊園地の休業などが始まった。なんとなく「まぁ、大丈夫だよね」みたいな雰囲気から「これは大変なことになったぞ」というものに変わっていったのも2月だったはず。

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3月。前半はまだかろうじて外出して美術館に行ったりすることも可能だったけれど、あっという間に社会が自粛モードになった。私はリモートワークできない仕事なので毎日普通に通勤していたし今もしている…。日帰り温泉に行ったのもここらへんだったかな?

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4月。10年待ったFF7のリメイク!!クラウド!ティファ!エアリス!ザックス!!!!楽しみにしすぎたのと自分のゲーマーレベルを甘く見積もっていたため、EASYモードで進めていたら1回もゲームオーバーになることなくエンディングまでサクサク進んでしまった。ちょっともったいなかったかな。1週間で35時間プレイしてクリア。どう考えてもやりすぎである。続編が出るのはいつだろう。緊急事態宣言が出されたのもあって休日はずっと家にいてた。

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ホームベーカリーで打ったうどん。

5月。前にも書いたけれど謎の発熱があって2週間ほど仕事を休んでいた。マジで暇すぎて死にそうだったな。あまりにも暇だったので3年日記を書き始めたり家の家電類を書い直したりしていた。買ってよかったものばかりだったので、これについてはまた書きたい。

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6月。ポツポツと外出するように。同じ県内ではあるものの感染のリスクを考えて長らく行ってなかった実家にも日帰りだけど帰ったりしていた。このまま行けばまた完全にとまではいかないけれど以前のように観劇を楽しめるようになるのかなーとまで気が緩み始めていたら7月になり、今のような状態になっていたなー。

 

「2020年の上半期に何してた?」と聞かれれば「結婚式!自宅エンジョイ!」と即答する。完全にこの2つだと思う。結婚式を挙げるつもりは元々なかったのだけど今では挙げてよかったなぁと心から思う。時期的に本当にギリギリだった。あと1週間遅ければ1年後になってしまったかもしれないと言われたので…。私の周りへの影響で面白かったのが「入籍しました」よりも「結婚式挙げました」の方が「結婚したんだー!」と扱われるのが増えたこと。婚姻届を出すのが結婚だと思っていたのでこれには少々驚いた。うーん、地域性によるのかもしれないけれど「結婚=ウエディングドレスとタキシード」みたいなイメージが多いのかな。

舞台観劇やコンサートなどのイベントに参加することがほぼなくなってしまったので、上半期の空いた時間は読書に時間を費やしていた。今まで漫画アプリを活用したことがなかったのだけど「名作全話無料公開!」みたいなキャンペーンに惹かれてホイホイDLしたらそこから毎日漫画生活になった。読んだ中でも特に印象に残ったのは

 

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

 

3月のライオン(羽海野チカ)

ハチクロをやっと読んであまりの面白さに慄いた去年。そして3月のライオンもやっと読んだ今年。読むと、生きることは容赦なく魂を削っていくことでもあるが、同時に魂を温めて育てていくことでもあると随所で教えてくれる。変に悪い人が改心してめでたしめでたしで終わらないのがいい。一気に読んでそのまま最新巻を買った。

 

動物のお医者さん 1 (花とゆめコミックス)
 

動物のお医者さん(佐々木倫子)

チョビ。可愛いよチョビ。イマジナリーチョビを手に入れたい。みんなでギャーギャーしているだけで何故こんなにも面白いのか。少女漫画といえば全部恋愛要素が入っているものだと思っていたけれど、これには一切なくてそれでもめちゃくちゃ面白いのがすごい。

 

大奥 1 (ジェッツコミックス)

大奥 1 (ジェッツコミックス)

 

大奥(よしながふみ)

お、面白い〜!!!!!!無我夢中で読んだ。最初からクライマックス級に面白いのに、その面白さが最新巻まで続くので凄すぎる。男女逆転の大奥ということで、ドラマの大奥のイメージが強い私は「ふぅん…?めっちゃドロドロしてるやつかな」と思って読んだが、きっちり日本史をなぞりながら「もし日本の男性が疫病で1/4の人口になって女性が将軍になったら…」という歴史SFの面白さも緻密に作られていて、本当に面白い。自分の中のジェンダー観を考え直すことにもなった。もっと早く読めばよかった。キャラクターだと瀧山が好きです。

 

きのう何食べた?(よしながふみ)

こちらもよしながふみ作品。雰囲気が真逆なのにこれもまた素晴らしい作品だよね…。発熱自宅待機中(ただの微熱でした)に全巻買って読んだ。大奥はノンストップのジェットコースターのような面白さを楽しむのだとしたら、きのう何食べた?は毎日の平常感を慈しむ作品。レシピ色々試したけれど、どれもこれも美味しかった。こういう毎日を楽しめるような大人に私もなりたい。

 

来世は他人がいい(小西明日翔)

ヤクザの孫同士が婚約者になっちゃった話。登場人物がバチバチにキレて倫理観を吹っ飛ばした人が多い中で、比較的まともに見える主人公の女の子が実は1番ヤバいのが最高。次巻は来年らしいのでそれまで頑張って生きます。

 

漫画以外の本も少しずつ読むようになってきた。電車で本を読むと、どうしても車掌のアナウンスや乗り換えで集中力がブツ切りになるのが悩みだったのだが、章ごとにコツコツ自分で区切って読めばいいのだとわかってからは読めるようになった。最近読んだものでは

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ)

著者の息子に対する目線や対応がフラットで真摯でとてもいい。いつか自分もこうなれたらと思いながら読み進めるも、自分の中にある偏見や無知にガンガン殴られながら読んだ。多種多様な社会問題を扱いながらも明るくまとまっているのも凄い。読んだら他の人にもオススメしたくなる本。

 

島はぼくらと (講談社文庫)

島はぼくらと (講談社文庫)

 

島はぼくらと(辻村深月)

辻村作品を他に読んだことあるっけなと思いながら手に取って読んでみたらすごく、すごくよかった…!キャラクターたちの人間関係の描かれ方が客観的で優しさに満ちていながら彼らの現実もしっかり書ききる作者の責任感に「好き!」となった。私は貴方のことを大切に思っていますよ。そんな愛を感じる作品。読んでいて心が洗われるようだった。

 

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫)
 

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続(宮部みゆき)

宮部みゆきの時代物シリーズが好きでずっと読み続けている作品の1つ。今作品で完結してしまうのが寂しい。ちなみにひぐらしシリーズも好き。宮部みゆきは小学校の頃から読んでいるけど、いつも圧倒的に面白いので敬愛している。

もっと色々読んだはずだけど印象に残っているのはこれらかな。世の中は息が詰まるような話題ばかりだけど、世界が明日、今日よりも少しでも良くなりますようにも願っていきていくしかないな。何年後かに今のことが夢のようだったと笑える日が来ますように。皆さまお身体ご自愛ください。