チャレンジの土曜日、バカンスの日曜日

 

土曜日

10時ごろに起きる。結構寝たなと思いつつシーツ類をベッドから剥がす。洗濯機に入れる。まわす。休日は洗濯機をまわす(この「まわす」という表現はどこから来ているのだろうか。機械なら「つける」とか「稼働させる」とか色々あるのに、洗濯機だけグルグルまわるからといって「まわす」の1択なのは面白い)。お掃除ロボットを起動させて寝室と廊下を掃除させる。朝ご飯を食べてボンヤリしていると洗濯が終わるので干す。気づけばお昼もとうにまわっているので、鍋で湯を沸かしてうどんを食べる。そういえば、浴衣を実家から送ってもらったので箱から出して並べておく。腰紐と着付ベルトが足りない。どうするか。悩んでいると夫が帰ってきた。

腕時計の電池を交換するために時計屋に行き、ついでに呉服屋に寄って腰紐と着付ベルトを買った。万全である。帰宅して早速、「浴衣 着付 簡単」のような検索ワードを入れて動画を探して見る。挑戦する。難しい。おはしょりを整えましょう。先生、整いません。

見かねた夫が手伝ってくれた。彼は何かと器用な人間で、「ホイホイなるほどね」とか言いながら私がガシャガシャにして身体に巻き付けているだけの帯(兵児帯なので余計ガシャガシャになる)を、綺麗に3枚の羽があるリボン結びに仕上げ、「なら自分も着る。」と、どこからともなく自分の浴衣を出してあっという間に着ていた。どこで習ったのと聞くと、動画を見ながらやればできるよと言う。私はできないと顔をしかめる。俺が手伝うからいいじゃんと笑う。ならいいかと私も笑う。

 

日曜日

どうやら人気のベーカリーが車で少し行ったところにあるらしいと聞いて朝からパンを買いに行く。開店直後(本当に開店1分後とかそういう時間である)に行ったというのに、既に店内には先客がいて驚く。美味しそうなパンが沢山あって、ついつい買いすぎてしまった。帰宅してパンを並べて豪華なモーニングにする。朝に贅沢をするっていい。

昼までに出発してデイキャンプをするぞと夫と荷物を車にギッチリと詰め込んで、キャンプ場へ向かう。カンカン照りの快晴で、道路にあった気温表示計は35度を示していた。覚悟を決める。駐車場に辿り着き、テントを張る場所を決め、荷物を移動させる。それだけで全身から汗が容赦なく噴き出す。背中は既に自分の汗で濡れて、Tシャツが皮膚にペッタリとはりついて気持ち悪い。暑い。マジで暑い。日焼け止めを塗りたくり、帽子とサングラスを装着しているにもかかわらず、陽射しに焼き殺されそうだ。ヒィヒィ言いながらタープを張り、テントを張り、椅子や机を組み立てる。ヒィヒィ。

 

水辺に折り畳み椅子、日傘を持参して足湯ならぬ足琵琶湖をする。期待していた「冷たっ。」のような感覚は一切なく、「ぬるい」という単語がまさしく当てはまるような水温だった。

f:id:sasanopan:20220804065648j:image

せっかくなので足元の写真を撮る。こういうときにペディキュアをしておけば写真映えするのにと思う。水温はぬるいが波の音と風が心地よい。いいねぇと、そこそこ満足していたら、大きな波がきて服がガッツリ濡れる。淡水なのでそこまで気にしない。

f:id:sasanopan:20220804070256j:image

豆を挽き、アイスカフェラテを作る。気温は高いが風があるので日陰にさえ入っていれば充分に快適である。ゴリゴリとコーヒーミルを挽きながら「私はいまアウトドアな人間になっている…!」と少しだけ自慢げに(周りには誰もいないが)なる。

f:id:sasanopan:20220804070544j:image

苦味をしっかり感じられる美味しいアイスラテだった。うまし。

 

f:id:sasanopan:20220804070929j:image

そこからはボーッとしたり、本を読んだりしていた。たまたま持ってきた料理エッセイ本を読むと、今から50年ほど前の連載をまとめたもので、「日本人は衣食住というくらいなので、まず服にお金をかける」や「家事手伝い」、「週末用の別邸」のような今現在とは全く違う生活スタイルがバンバン出てくるので驚く。生活はよりよく、所得は上がり、成長していった時代の日本である。高度成長期。

本を読むのも飽きたので、コットで横になってボンヤリしていた。何もしないをしている。それだけで楽しいのだから、キャンプはいいものだ。もうちょっと涼しい時期に来たいものではあるけれど。

 

あ、タイトルを「バカンス」にしたけれど少し違う気がする。バカンスとは。