ロンドン旅行記③


以前の旅行記を確認すると、最後に更新したときから1ヶ月も経ってしまっていた。ついでに記事を読み直してみたが「飛行機内だけで書き過ぎだろ」と脳内ツッコミ入ったのでこれからはもう少しマシにできたらと思う。

では旅行記の続き

飛行機を降りて人の流れに乗りつつ、自分の荷物の行方は何処だとオタオタする。電光掲示板を見るとびっしりとどの飛行機の荷物がどのターミナルに届くかが書かれていて自分の飛行機の番号を探す。どうやら私の荷物はここから離れたターミナルに到着していて、そこに行くためには電車に乗らなければならないらしい。電車に乗る。発車の際、扉が閉まる直前に外からガッと腕が伸びてきて扉をこじ開けた。パイロットと客室乗務員の人達で、いかにもな紳士と美女が車内に入ってきてテンションが少しだけ上がる。まだ不安でずぶ濡れな心境なのは変わらない。無事に自分の荷物を手に入れ入国審査に向かう。

入国審査官は黒人のふくよかな女性の人だった。聞かれたことは以下の通り。
・目的は?
・いつ帰るの?
・職業は?
・学生って書いてあるけど何勉強してるの?
・イギリス来たことある?
・他の国行ったことある?
・1人?グループで来たの?
・イギリスに知り合いいる?
どう答えようかと戸惑っていたら「イエスかノーで言って」と言われて安心する。イエス。3文字で出来る意思疎通。なんと素晴らしい。ハンコをもらって出口に向かう。

出口には到着した搭乗客を待つ人が沢山いて「いいなあ。」と思う。家族を待っているだろうと思われる親子。恋人を待っているだろうと思われる人。タクシーの運転手らしき人も沢山いて皆手に「ミス○○」とか書かれたボードを持っていた。「待つ」という行為は孤独だが、同時に誰かとの繋がりがなければ出来ない。確かに孤独だが、どこか温かさがある。そんな空気がそこにはあった。目に入る文字が英語しかないのを改めて確認してまた少し不安になる。ホテルまでは地下鉄に乗っていく予定だ。窓口で切符を買う。駅名を聞き返されたので路線図を指さして購入した。切符は買えた。ホームはどこだと彷徨った末、なんとか辿り着く。来た電車に乗り込む。

思ったよりすごく狭い。そして汚い。くちゃくちゃにされた新聞紙があちこちに置いてあって驚く。その新聞を他の乗客が適当に広げて読み始めるのにもまた驚く(そういうものらしい)。端っこに座って自分のすぐ外側にスーツケースが来るようにして取っ手をギュッと掴んだ。本当に余裕がない。隣の人は韓国人のグループで楽しげに会話をしていた。向かい側の席にはイギリス人と思われる女性で服装はロック。髪はオレンジ、片側は全部刈り上げていて耳にも口にもピアス。指にはタトゥーがあった。「おぉ、ブリティッシュロック!」と興奮するが、後にも先にもそんな恰好をした人にあったのはこれだけであった。何度か乗換をして最寄駅まで1時間ほど電車に揺られる。

駅から外に出る。夕方の4時頃というのに外はもうとっぷりと暗い。ホテルを探して迷子になる。人通りが少ないので警戒する。駅から3分程だったというのに20分位迷子になる。ホテルのチェックイン場所に着くがチェックイン時間を過ぎていたことに気づき青ざめる。しまった。予約表を確認する。
「チェックイン時間を過ぎる場合はご連絡ください。」
手にはiPhoneがあるが機内モードで現状況では役立たずある。高い通信料を払って電話するか迷った末に、チェックイン場所の隣の雑貨店が空いていたので助けを求めることにした。
「すみません。ホテルにチェックインしたいのですが。」
中東系の男性が近づいてくる。ベラベラと私に話しかけるが全く理解できずに頭上にハテナマークが浮かぶ。おそらく不安そうな表情をしていたのだろう。「ホテル?こっち」と身振り手振りで案内してもらった。後にわかったのだがこの人がホテルの支配人だった。店を出たときにとクシャクシャのメモを見せられて「これが君?」と聞かれる。確かに私の名前だ。ハイ、私です。やった。ちゃんと予約できてた。荷物を持ちましょうかと手を差し出されたが断った。まだこの人を信用してはいけないと脳内警備員が喚いていたからだ。「英語わかる?英語わかる?あー、日本人と中国人はトラブルが多いんだよね~。」と少々嫌味なのかジョークなのかよくわからない会話をされつつホテルに無事到着。部屋と施設を案内してもらい、料金を払った。まさかの前払いだった。最後に「君の名前好きだよ。」と言って支配人は去って行った。やっとホテルに着いたという安心感で一気に疲労感が身体に来て、そのままベッドになだれ込むようにして就寝した。明日は夢のウエストエンドに行けるとかそういうことに対する実感はまだなかった。