ジャージー・ボーイズ(2014/12/20 マチネ)



ジャージー・ボーイズ(原題:Jersey Boys)

ロンドンカンパニー公式サイト http://www.jerseyboyslondon.com/








ウェストエンドで何を観るか。と自分なりに渡英する半年前から「観たいリスト」を作っていたのだが、うっかり映画「ジャージー・ボーイズ」を10月末に見てしまい、観劇することとなった。

ピカデリーサーカスまで地下鉄で向かう。5分くらい。地図を確認してもここがどこかわからず。さて無事に劇場につくことができるのかと不安に思いながら地上に出る。そして出た瞬間にあまりの都会っぷりに感動する。巨大な電光掲示板。行きかう大量の車、バス、人。道案内のボランティアの人を見つけたのでピカデリーシアターに行きたいと尋ねる。「この通りをまっすぐ行けば着くよ。」と手で方向を示してもらう。まっすぐなら安心だ。私にでも行けるはず。お礼を言って劇場へ向かう。


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あった。

開場45分前でスタンドバイシステム目当てに劇場入ってすぐのボックスオフィスへ向かう。係員のお姉さんにすでに予約していると思われ何度も質問させてしまう。「当日券を買いに来た。学生です。」となんとか伝えると正面ではなく隣のパソコンを置いてある方に通される。お兄さんに「この席をご用意できます。25ポンド。」と座席表を指さして説明してもらう。後ろから3列目。まあ観れればいいしTKTSで買うよりも安いしいいかと承諾してチケットをもらう。学生証を失くしたと思ったが見つかった。でも結局使ったのはこれっきりだった。階段に下りて座席に向かう。座席入口の近くにはプログラムを売っている係員の人がいてチケットを提示してどのあたりか聞く。開演30分前というのにガラガラで私しかいなかった。(皆バーにいたらしい)ここで何かがおかしいことに気づく。後ろから3列目あたりのチケットを購入したはずが後ろあたりにはどう見ても私の席はありそうにない。あれ?不安になりさっき聞いた人とは別の人に座席を聞く。パンフもついでに買う。4ポンド版と6ポンド版があった。4ポンド版を買う。パンフレットを受け取りつつ「このあたりですよ。」と言われる。あれ?おかしいぞ?すごく前だぞ?



なんとここでした(提示された座席表を前後逆に見てた)
近い。すごく近い。ウェストエンドの学割パネぇ。ぐるりと見渡してみる。劇場狭ぇ。開場10分前くらいになってやっとゾロゾロと人がやってきた。みんな片手に食べ物や飲み物を持っててポテチ食べてたりする。アジア系は私以外おらず。年配のご夫婦が多かった。最前センターは小さな女の子たちを連れたご家族が着席してた。隣のおばさまに最後の確認として聞く。
「私の席ここであってる?」
「あってるわよ。」
「ありがとう。(学割パネぇ)」
隣のおばさまに何故かグミもらった。ベリー系の味だった。

よし。いざウェストエンド初観劇。



3列目ということで自分の鼻あたりの位置が舞台の床と同じくらい。若干首が痛くなった。開場の合図がなくていきなり始まるためにビビる。映画版を見ていたので最初はのんびりとした序曲が始まるのかと思いきやピアノとドラムがけたたましく鳴らされラッパーの人が登場。ラップを始める。ここでいきなり最高潮。手拍子も加わり盛り上がりまくり。

以下メモ書きとツイッターログから

・Pizza(母音強調のあのシーン)でウケてた
・Cry for meの部分でボブが死角(ピアノで隠れる)残念であった
・ずっと上むいてるので若干首が痛くなる。はるばるロンドンに来てよかったなぁと心底思う
・目線の使い方が上手い。観客の目線を強制的に移動させるあの演出はすごい
・光の使い方と影の使い方がとても上手い
・oh,what a nightが映画と全然違う。ボブの童貞卒業の夜=oh,what a night に繋がる
・煙草の煙を女性から受け取ったボブがいきなり大人を顔をして歩くのに笑う
・そういえば喫煙シーンが多いミュージカルだった
・男性のタンクトップ姿はエロい
・お姉さんがエロい。パワフルでエロい。
・メインセット自体は素っ気ない
・セットの移り変わりがめっちゃ早い。あっという間に変わる(キャストが猛スピードで片付ける)
・場面展開が一瞬で行われるのは小さい劇場の利点
・ボーリングのシーンで実際にボール投げてる。失敗しないのかヒヤヒヤする
・フランキーの人が下向くところでお客さん変顔してくれないかなとか変なこと考える
・小物の液体が本物だったり偽物だったり
・口ずさんでる人多い。人気曲ではコーラスかと思うほどみんな歌ってる
・観客の口笛や歓声があって「本場!」と感動する
・テレビ撮影のシーンはカメラの前で4人が歌う→観客の目線がカメラになる。
・目線の移動のさせ方がとても上手い。ときにはフラッシュを浴びる彼らを後ろから見ることになったりする。
・後ろの背景が光るので自然と人物は影になる。ここで「あぁ、そうだ。これは光と影の話だったな。それに目線移動も大事だ。4人のそれぞれの目を通して物語を見ているのだから」と悟る。
・4人の動き揃いまくり
・電光掲示板にカメラに写っている4人が映し出されるのだが中継じゃなくて録画だった
・1幕最後がすげえかっこいい。絵になる
・幕間。やっぱりみんな食べてる。モグモグモグモグ
・最前列の人はステージに肘ついてたりペットボトル置いてたりする。すごい
・隣のおばさまがふくよかな方で座席に座る人がおばさまのを前を通るたびに「ごめんなさいね~hahaha」みたいな会話が繰り広げられる
・2幕始めの監獄のトイレ表現好きだ
・フランシーヌが亡くなったときに彼女が2階のステージに行くのだが天国の表現?
・キャラクターが濃い。わかりやすい
・最後に1人ずつはける→who loves youで集まる→私号泣
・フランキーの眉間の皺がとれる。若返る?
・メイクなどの年齢の表現は一切なし

以下キャストについて
フランキー・ヴァリ(Sandy Moffat)
ウブなフランキーさはよく出ていたと思うが秋、冬にかけての年齢を感じるのがやや難しいように感じた。表情が厳しくなったりはしているが、見た目の問題? ダンスキレッキレだった。

トミー・デ・ヴィート(Ben Wheeler)
4人の中で一番年上の俳優でフランキーとは逆に若い頃のシーンに違和感を感じる。見た目の問題だな。彼自身が入れ墨をあちこちに入れているのでタンクトップ姿のときにとてもセクシー。日本柄っぽいのもあったな。最後に自分の手柄を言いあげて I'm still a Hero.と言ったときにトミーの虚栄心をハッキリと感じることができた。私の中では映画版のイメージで「かっこいいどこか憎めない悪い兄貴分」だったのだけれど舞台版では彼の本質を伺えた。あと喋るときめっちゃ唾が飛んでる。ので最前列の女の子が嫌そうな顔してる。我慢してあげて。

ボブ・ゴーディオ(Edo Post)
Cry for meのとき見えなくて本当に残念だった。これもトミーや他の人物と同じくキャラクターの輪郭がハッキリしていて「4人の中で唯一外から見えいる人。故にどこか冷めている」のがわかった。

ニック・メッシ(Matt Nalton)
1番心惹かれたキャスト。高身長イケメン低音のいい声。イケメン。素晴らしい。全然影薄くないよかっこいいよ。トミーがタオル全部使う〜と怒るシーンの爆発具合とてもよかった。最後の(ビートルズの)リンゴだったらどうする?のとこ1番ウケてた。本当にかっこよかったので「後で調べて追いかけるリスト」に追加しておくことに。

ボブ・クリュー(Sean Mulligan)、ジプ・デカルロ(Graham Vick)はもうお笑いキャラになってた。そこも好きだ。あと最初にラップで登場してものすごい量の役をこなしているあの俳優さんのなんと芸達者なこと。あと女性3人グループの歌唱シーンパワフルでかっこよかったなー。ドラマーが2人いて入れ替わりの音大変そうだ。


カーテンコールの時点で早い人は帰る準備してる。まじかよ。スタンディングした楽しかったー。
フィナーレでは踊ってる人もいた。いいねえ。楽しんでる。


ジャージー・ボーイズの感想は一言でいうと
「超かっこよかった!!」である。かっこよかった!シビれた!
爆音のバンドも濃いキャラクター達もよくわからない客層も好きだ!
ジャージー・ボーイズ大好きだ!よかった!