なんでもない日記。
昨日、出勤しようと家を出て15歩ほど歩いたときにふと「あぁ、やっと正気になった。」と思った。それはどこからともなくやってきて胸に落ちたもので今も時折顔を覗かせては私を安堵させる。確か昨日はとてもいい天気で朝から日差しが容赦なく降り注ぎ、空気は今にも「今から夏が来ますよ!梅雨も来ますよ!」とでも叫びたいのかと思うほど初夏という初夏を体現していた。それくらいいい天気だったのだ。これは天気と気圧の関係だろうか。それとも身体の不調がようやくマシになったということだろうか。
昨年からなんとなくずっと溺れているような感覚があり、どこにいてもどこか少しだけ疲れていたし、呼吸も浅くなっているのか苦しかった。そこから年を越して祖母が亡くなり、仕事ではトラブルが続き(前回の記事以降もトラブルが続いており、退職を視野に入れて上司に相談したこともあった)、体調も崩して、今年の5月は殆どベッドの上で過ごしたと言っても過言ではない。自身の肉体と精神が容赦なく「お前なんか嫌いだ」と私に言っているような日々が続いていたのだ。
息をしようとすればするほど、水を飲み込んでしまい、苦しさで更に溺れるような感覚、それなら深く潜って息を止めている方がまだマシだと。
それが本当に、どこからともなく、突然息ができるようになった。頭がスッキリとクリアになり、「正気だ。」と思った。今なら前向きに物事を考えられる。嫌なことやマイナスなことがあっても切り替えられる。考えることをやめることだって、深く考えることだってできる。私は私だ。他の誰でもない私自身だ。何処だって行ける。なりたいものになれる。やりたいことができるのだ。
息をゆっくりと深く吸い込んで、ゆっくりと吐いた。胸の中の空気が入れ替わり、リラックスしていると感じる。
やっと正気になった。ずっとこの日、この瞬間を待ち望んでいた。バラバラだった脳と心と身体の四肢がようやく繋がり、這い上がったのだ。
あの瞬間に何が起きたのか、何が私に作用したのかさっぱりわからない。
仕事は相変わらず大変だが、なるようになるしかないなと良い意味で自分とパフォーマンスのけじめかついた。今までは先回りしすぎて空回りして、気疲れして、感情という波のサーフィンにとことん失敗していたことにようやく気づく。方向を間違えてガムシャラに働いて勝手に潰れていた過去の自分を今なら俯瞰で見れる。
ようやく正気になった。やっと人間になった。