City of Angels 歌解説

あらすじを読むかキャラクター説明を読んでから読むことをお勧めします。

サウンドトラック
itunes: https://itunes.apple.com/us/album/city-angels-original-broadway/id197544477
amazon: http://www.amazon.com/City-Angels-1990-Original-Broadway/dp/B00000272K

Act 1
1.Prologue
エンジェルシティ4が歌うドゥーワップ
歌詞がないので物語上では特に意味はありません
物語が始まりますよ。という序曲です

2.Double Talk
ストーンとオーロラ、スタインの歌ですがサウンドトラックではスタインの方しか収録されていません。
ストーンもスタインも歌いだしは
This job is not to be believed...
(この仕事は信用できない)
となっています。
ストーンは謎の多いオーロラの依頼について
スタインは自分勝手なバディから受けた映画脚本の依頼について

歌の内容は少し違いますが大まかなことは同じで2人とも
「この仕事は信頼できないが大金を手に入れられるので仕方ない」と歌っています。
タイトルのDouble Talkとは彼ら自身のプライドと野心がせめぎ合っていることを指しているのではないでしょうか。

3.What You Don't Know About Women
スタインの妻であるギャビーとストーンの助手であるウーリーの歌です。
2人とも彼らの自分に対する扱いにうんざりしています。
ギャビーはスタインが小説を書くことについてよく思ってません。
ウーリーはストーンが自分をただの助手としてしか見ていないことに腹が立っています。

何度も出てくるフレーズは
"What You Don't Know About Women"
(あなたって女について何にも知らないのね)
で、要するに愚痴ソングです。この曲での見どころは「現実」と「虚実(映画)」がシンクロしているところでギャビーとウーリーがそっくり同じ動きを取りながら歌います。(本公演ではどのような演出になるかはわかりませんが)現実(カラー)と虚実(モノクロ)の対比が綺麗に見れるのである意味ではこのミュージカルを象徴している曲かもしれません。

4.You Gotta Look Out For Yourself
ストーンがビッグシックスとソニーに襲われているときにかかる歌です。
取っ組み合いになっているのはストーンとビッグシックスで手持ち無沙汰なソニーは「音楽でもかけるか」と勝手にストーンの部屋にあるラジオをつけます。そのときに流れるのがこの曲で
何度も出てくるフレーズは
"Ya gotta look out for yourself"
(気をつけろよ)
となっていて「世の中は甘くないんだから気を付けないと危ない目に会う」といった歌詞です。

5.The Buddy System
自分勝手なプロデューサー【監督)バディを信頼できないスタインは自分の要望をバディに話します。するとバディは「大丈夫俺に任せておけ」という歌を歌います。つまりスタインの話なんて聞いていないわけです。
歌詞の内容としては「俺はオスカーを何度も受賞している名監督だ。映画なんて俺の意のまま。俺に任せておけば全て上手くいく」で、何度も"buddy"という単語が出てきます。自分の名前Buddyと「相棒」としての意味のbuddyをかけているわけです。君の相棒(バディ)は俺(バディ)だと。

6.With Every Breath I Take
ナイトクラブでボビーが歌う切ないラブバラードです。
ストーンとボビーは恋仲である。ということがわかるシーンです。

何度も出てくるフレーズ
"Knowing that my heart will break with ev'ry breath I take"
(貴方を想うと一息ごとに胸が張り裂けそうになるのがわかるの)

7.The Tennis Song
ストーンとオーロラがテニスコートで歌う曲。
テニス(球の打ち合い)と会話(言葉の駆け引き)をかけているのだと思われます。

何度も出てくるフレーズ
"Shall  we say the ball is in your court"
(私たちは『貴方のコートにボールがありますよ』と言うんでしょうね)
おそらくボール=真相(ネタ?手段?)かな?

8.Ev'rybody's Gotta Be Somewhere
エンジェルシティ4とストーンが歌う曲。
物語的にはエンジェルシティ4が歌っているのをラジオから流していることになっています。
マロリーを探すストーンが
「彼女は一体どこにいるのだろうか」と歌い
エンジェルシティ4が
「誰もがどこかにいる」と歌い(返し)ます。
最後にマロリーが登場するときに「誰もがどこかにいる」(ほらね!いったでしょ!のような意味が込められているかと)とエンジェルシティ4が歌っておわりです。

9.Lost And Found
マロリーがストーンを誘惑するときに歌います。
マロリーはストーンがオーロラから受け取った大金が目当てです。女の武器を使ってどうにか横取りしてやろう。みたいなかんじ。

何度も出てくるフレーズ
"Lost and found"
(いなくなって見つかって)
はおそらくマロリーとストーンが「かくれんぼ」をして遊んでいると比喩しているのだと思います。
歌詞の内容としては「かくれんぼして遊びましょうよ探偵さん。私を飼い馴らすなんて貴方は出来っこないでしょうけど私を欲しがってるなら相手してあげるわ。」みたいなかんじでとてもセクシーな曲。

10.All You Have To Do Is Wait
ムノズがやっとストーンを捕まえたということで嬉しくてたまらないムノズが歌う曲。
コメディソングっぽくて面白い。

何度も出てくるフレーズ
"All you have to do is wait"
(成功の秘訣は待つことさ)

「果報は寝て待て」的な歌。歌詞の内容としては「空に太陽なんて出ていない。鳥も歌うことを忘れたようだ。でもお前(ストーン)が捕まった今は春が来たようだ」。陽気な曲。

11.You're Nothing Without Me
現実の書き手であるスタインと虚実の主人公であるストーンが言い争う曲。
スタインはストーンに「私の創造物のくせに口答えするな」
ストーンはスタインに「私がいなければ食っていけないくせに」と歌います。

何度も出てくるフレーズ
"You're nothing without me"
(私がいてこそのお前だ)




Act 2
13.Stay With Me
ジミー・パウダーとエンジェルシティ4が歌う曲。
2幕はレコーディングスタジオから始まります。
序曲的なものと思って大丈夫です多分。

何度も出てくるフレーズ
"Stay with me"
(私と一緒にいてくれ)

14.You Can Always Count On Me
ウーリーが最初に、ドナが後に歌います。
ウーリーは助手としてしかストーンの傍にいれないことを嘆き
ドナは結婚しているスタインに恋してしまったことを嘆きます。

何度も出てくるフレーズ
"You can alway count me"
(いつでも私を頼りにして)
ということで皮肉を込めた少し切ない歌になっています。

15.Alaura's Theme
歌詞がないので割愛

16.It Needs Work
ニューヨークへ戻ったギャビーを追いかけてきたスタインですが浮気がバレてしまい、謝罪しようとしても無駄だった。そのときにギャビーが歌う曲。歌詞の内容は「貴方の小説の創造力や情熱はきっと終わることはない。貴方はこれからもずっと書き続けるのよ。だから(私じゃなくて)仕事が必要ね」みたいな感じ

何度も出てくるフレーズ
"It needs work"
(貴方に必要なのは私じゃなくて『仕事(小説)』よ)

17.L.A. Blues
歌詞がないので割愛

18.With Every Breath I Take-Duet
町を出たはずのボビーが売春宿でストーンと出会い、別れるときに歌う曲。
歌詞の内容はほぼ同じです。

19.Funny
ドナにもフラれ、妻にもフラれ、自分の書いた脚本もバディにめちゃくちゃにされたスタインが自暴自棄になって歌う曲。歌の中で彼は現実と虚実の区別が段々わからなくなってしまいます。
歌詞の内容としては「もうたくさんだ。笑える。所詮私の人生も誰かが書いた陳腐な物語なのさ。これ以上面白くて笑えることなんてあるのか。もうたくさんだ。」みたいなかんじ。

20.I'm Nothing Without You
ストーン(虚実)がスタインのタイプライターを使って現実を書き換えてしまいます。
全部彼らの都合のいいように書き直してめでたしめでたし。
このときに2人お互いを褒め称えて歌う曲。最後には帰ってきたギャビーも歌います。

よく出てくるフレーズ
"I'm nothing without you"
(君がいてこその私だよ)

お察しの通り1幕最後の曲「You Nothing Without You」とかけています。
メロディーもほぼ同じ。


21.Epilogue
プロローグの曲と同じドゥーワップ調の曲
物語の終わりを告げる曲です。歌詞はありますが
人生について語ったあとに「さあこの世界にお別れのキスを」
という風になっています。