新幹線道中に書く最近の日記

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これは、和菓子屋の壁に飾ってあった型たち。そして私が今いるのは東京に向かう、新幹線こだま号の車内である。夜行バスでは身体がもたず(そして超早朝に着いても、やることがなく結局シャワーの浴びる方ができるネカフェやらでお金を使ってしまうので)、行きの新幹線だけ「ぷらっとこだま」を利用している。夜行バスよりもやや高いが、快適かつ経済的なので気に入っている。

さて、1月にも東京に足を運んだので、前回から約2ヶ月ぶりだ。そして前回が丸3年ぶりの東京だったので感動もひとしおだったが、今回はやけにアッサリしている。人間そんなものである。

 

話題を変える。最近、最終回を迎えたドラマ「ブラッシュアップライフ」の評判があまりに良く、そして以前から友人に「面白いよー。めっちゃ懐かしい!って感じ。」とオススメされていたことを思い出したので、1話だけ見てみた。大変面白く、そのまま全話見たくなってhuluに加入した。全話見た。面白かった。

来世をオオアリクイと宣告された34歳の女性が、今世を自身の生誕からやり直して徳を積み、人間への転生を目指す話であるが、昔懐かしい「シールの交換」やら「エンジェルブルー」やら、「mixi」やらが出てきて、見ているこちらとしては手を叩いてゲラゲラ笑いながらノスタルジーを楽しめるので、是非是非、同年代の方に見てほしい。そして、主人公の行動動機が「貴方に幸せになってほしい。生きていてほしい。」という人から人への愛情からくるものなのもよい。伏線の回収の仕方やタイムリープの扱い方(舞台が東日本大震災や新型コロナウィルスによるパンデミックが存在しない現代日本である)にやや荒っぽさを感じるものの、バカリズムらしい日常会話のコメディが作品全体を明るいものに仕上げている。

くだらない会話をくだらないままポンポンと繰り広げる役者の演技はリアリティに溢れる地に足のついたものだ。そして、そんなくだらない会話をポンポンとできる主人公と友人たちの友情が美しく眩しい。私からすれば、彼女たちの「地元も、家族も、友人たちも好きで、ずっと楽しく一緒いる。」ことがある意味、理想郷のように見えるのだ。大体の人間関係は物理的距離が離れれば、良くも悪くもそれだけ離れていくもので、この作品のような関係を築けること自体が尊いものである。「ずっと前から仲の良い同性の複数の友人と、時々仕事帰りに遊べる関係」は正直なところ、めちゃくちゃ羨ましい。

絵本「100万回生きたねこ」は、100万回生きた中で心の底から愛するパートナーと出会い、失ったことで、生の輪廻から解放され、生を全うする「愛」がテーマの作品であるが、ドラマ「ブラッシュアップライフ」は、今世をやり直していくなかで、もう自分とは仲良くなれないかもしれない、かつての友人たちのために100年以上も人生を費やす献身的な「友愛」が最大のテーマである。最終話のあのエスカレーターを降りていくシーンが良すぎて(見た人は各々思い浮かべてほしい)、胸いっぱいになってしまった。

合間合間に挟まれるゲスト俳優の遊びも面白く、hulu限定の追加コンテンツも面白かったな。1週間もない短い間だけれど、何かにガッとハマって消費していくのは、久しぶりでとても楽しかった。もう1回最初から見ようと思う。めっちゃオススメです。

 

と、ここまで書いたところで、どうやらこの新幹線は新富士に着いたらしい。東京まであと少し。

 

Hulu「ブラッシュアップライフ 2周目の人生スタート」