NTlive「かもめ」感想 〜わからなかったかもめ〜

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スタンプカード2つ目。偉い。

 

NTlive「かもめ」を観た。アントン・チェーホフによる傑作であるが、私も「私はかもめ…。」の台詞だけならなんとなく知っている程度の知識しかない。他の演出バージョンも戯曲も知らないまま鑑賞したが、正直なところ、「最初からよくわからないまま終わってしまった。」というのが感想である。

ジェイミー・ロイドが現代に舞台を変え、アレンジしている今プロダクションは、明らかにオーソドックスな「かもめ」を知っている人向けだろう。後から知ったが、最初のシーンはバッサリとカットされていたため、コスチャとニーナが恋人同士であったことが分からずに、疑問符が浮かびながら観ることになった。舞台セットもシンプルすぎて視覚的に退屈で(1幕で耐えきれずに寝てしまった)、俳優たちが登場場面が終わっても舞台上から退場せずに静の演技をずっと続けているのを見るのは勝手に「鼻とか痒くなったらどうしよう…!」とハラハラしていた。

幕間にWikipediaをささっと読み、「かもめ」がアントン・チェーホフの個人的なエピソードや自身の感情を込めていることや、コスチャとニーナが恋人同士だったことを知ったが、それでもよく分からず、楽しみ方も、作品の受け取り方や感情(分からなくても気持ちを感じる作品もある)を、置いてけぼりにされたまま終わってしまった。not for meではなく、こちらの、鑑賞側の問題である。知識や教養がないと楽しめない作品も世界には沢山ある。

幕間の音楽や演出は好きだったのと、最後のニーナ(かもめの剥製と同一視されていた)の笑顔がとても恐ろしかったことだけは印象に残った。

やっぱり勉強しないと世界が狭くなるな…。

パンダと夫とシロクマ

突然ではあるが、我が家の楽しいメンバーを紹介しよう。

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左上:たろう 右上:ジャック

左下:アンディ 右下:笹野

ちなみにスヌーピーである二体は時々「ヌーピー」と呼ばれていたり、「ヌースピ」と呼ばれていたりしている。

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こちらはシロクマの「たろう」である。元々は「白山(しらやま)」という名字しか持っていなかったシロクマであるが、夫に名付けを頼んでみたところ「たろう」と名がついた。

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こちらのパンダは「笹野(ささの)」だ。以前、別の記事でも紹介したことがあるので見覚えのある方も多いだろう。

私の良き相棒であり、パートナーである。ついこの間も、あそさん( id:aso414 )とのアフタヌーンティーに同席していただいた。とっても可愛い。

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なお、笹野と夫の関係は先輩と後輩であり、私と交際が始まったときから夫は笹野を「先輩」と敬い、慕っている。

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交際し始めの頃、先輩に挨拶する夫です。

私が大事にしている物や人を大事にしてくれる夫の姿勢が好きである。

夫にとって笹野は先輩であるが、たろうはどうやら「マブダチ」らしい。

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たろうは夫の膝の上によく乗る。夫はそんなたろうを愛おしそうに見つめ、撫で、声をかけてよく遊んでいる。

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ときには一緒にマリカーもする。

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時々、たろうは夫のベッドで勝手に寝ていたりもする。そのときも、夫は「一緒に寝るかい。」と声をかけ、そのまま一緒に寝ていることが多い。

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夫の仕事カバンに侵入し、自分も出かけるのだと意気揚々としているときもある。

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カードゲームも嗜むようで、たろう、夫、笹野、私の4人でUNOをやったり

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ホームベーカリーの監視をしていたり

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キャンプに行ったり

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夫のスマホを奪い取って喜んだり(すぐに取り返されたが)

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淡路島牛乳を自慢したりと何かと忙しい様子である。

 

実は、たろうにも毎日のミッションがある。家族の出迎えである。と書くと少し仰々しいのだが、仕事の関係で、毎日私よりも早く家を出発して毎日私よりも早く帰宅する夫のために、私がたろうを玄関や廊下をランダムに設置する遊びをしているだけだ。

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初日。こっそり出迎えてもらった。のちに夫から「玄関にたろうがいたよ。」と嬉しそうな報告を受けた。

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私が帰宅するとこんなことになっていた。なるほど、夫も「私の出迎えミッション」をたろうに課したらしい。そして彼は着火マンで何をするつもりなんだ。それから毎日のように夫婦間でこの遊びは行われ続けている。そのコレクションをご覧いただきたい。

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掃除ロボットに乗って迎えにくるクマ

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先輩である笹野を捕獲して嬉しそうなクマ

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仲間をひきつれて私を出迎えるクマ。この日は私の誕生日で、この日のために夫がせっせとぬいぐるみたちを並べていたのかと思うと少し面白い。

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器に収まっているクマ

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戦闘準備ができているクマ

私も夫も毎日色んなパターンを考えて配置するので家に帰って玄関ドアを開けるのが楽しみになっている。今日はどこにクマを置こうか悩むのもまた楽しい。にしても、そろそろネタ切れになりそうなのも事実である。

衣・食・住・三十

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30歳になった。ハッピーバースデートゥーミー。よって、自分の中で毎年恒例になった誕生日記事を書く。

ちなみに去年はこんな記事を書いていた。

29歳になった。以前にも書いたかもしれないがが、昔から漠然と「27歳になれば大人になれる」と思い込んでいた。そしてそれから2年も経った29歳だが、特に何も変わっていない気がする。至る所で叫ばれている「30歳目前!ラスト20代!」のような感覚もない。私は私。昨日から今日、今日から明日へと地続きで繋がる肉体と記憶の塊である。ぬるっと28歳から29歳へと移行した。30歳になっても多分こんな感じだと思う。

今、読み直して気づいたが、当たっているのが半分、外れているのが半分くらいである。ぬるっと肉体的には移行したが、精神的には30歳という節目の年になるので、あれやこれやと理由をつけて色々やっていた。あと、仕事も転職して1年間なんとか過ごしたので自分なりに成長しているのではないかと思う。思いたい。思わせてくれ。そうじゃないと困る。

仕事面では周りの環境に恵まれて楽しく日々を過ごしているが、プライベートでは引っ越してきて慣れない土地に慣れないまま1年間を終えてしまった。職場と家の往復でほぼ引きこもりのような生活を相変わらず続けている。どうにかこの状況を脱却したくて試行錯誤しているが、いまだに解決策が見つからないので今年はこの土地も自分のプライベートも楽しく過ごしていきたい。いや、29歳も楽しくなかったわけではないが。

さて、タイトルに「衣・食・住」をつけたのには、理由があるのだ。「30歳の誕生日」に合わせて、プラダの財布を買い、スタンドミキサーを手に入れ(夫がプレゼントしてくれた。BIG LOVE)、実家の階段に手すりをつけてもらうよう両親にお金を渡した。からである。

(スタンドミキサーが何かわからない方はこちらをご覧ください。カフェやベーカリーには大体置いてある。THEパワー系製菓機材。)

財布は、前々からずっと長財布を使っていてそれが10年ほどになるのと、重いのと嵩張るのが嫌になってしまい、「次に買うなら二つ折りで長く使えてブランドものに疎い自分でもテンションの上がるものがいい!」と欲張った結果である。次も10年使わさせていただきたい。

そして、実家の手すりだが、数年前から「周りの人への恩返しをしたい。」という気持ちが自分の中にあって、ようやく実行した。実家の階段は手すりがなく急で、実家にいた時は私もよく足を滑らせたりしていたのだ。両親はまだまだ元気ではあるが、予防介護や家庭内の事故防止の面でつけてもらうことにした。要はお金を封筒に入れて「これで階段に手すりをつけてね。」と渡しただけだが、両親は快く受け取ってくれたので、やってよかったと思う。2人とも末長く健康に過ごしてくれ。

プラダの財布も、スタンドミキサーもとても高価で自分にとって非常に嬉しく、楽しいギフトではある。しかし、「30歳の自分のへのご褒美ギフト」として、「両親へ何かをする」ことを選べた自分を偉いじゃないかと褒めてあげたい。

当たり前ではあるが、周りがあるから自分が居れるのだと再確認した29歳の1年間であった。なんという成長。これからの私が楽しみである。

では、ここで、成田美名子による漫画「エイリアン通り」の台詞を置いてこの記事を終えたい。

 

「うん、だけどおれ 年をとるのってさ、嫌いじゃないよ。」

「年とともに自由になるって私の友人も言ってました。」

「いいね そういうのって 上手に年をとったんだなァ。」

「ーーーーーそうですね。」

 

台詞が出てくるシーンは日常の些細なものだ。この作品を初めて読んだのがそれこそ20年以上も前になるが、未だに忘れられずに私の中にいる。そして、いつのまにか美しい灯台となって柔い灯りを遠くまで投げかけているのだ。

 

232本も書いた自分のブログで好きな記事5選

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生まれて初めて飛行艇を見た記念。

最近、夜に1人の時間が出来るようになったのでブログを更新するようにしている。なんとなくで続けているので、いつまた前のように数ヶ月放置するようになるかもわからない。でも、まぁ書きたいことを書けるときに書いておかないと、何も書けなくなる現象になるので、いつかこの記事も自分から自分への置き土産になると続けていく所存である。

 

さて、早速ではあるが、自分のブログ記事で好きなものを5つ選んでみた。読んだことがある人もない人もお楽しみいただければ幸いです。ちなみに現段階での当ブログの記事本数は232本です。マジか。

 

ピンクが嫌いだった私がピンクのスカートを買った話。読み直して改めて、自分を罰し、呪いをかけるのは他ならぬ自分であり、そしてまた最終的に呪いを解くのも自分であると思う。ちなみにこの記事で登場する美容師志望の男の子は今や地元で店を構える立派な美容師となり、妻子を養っている。嫌味とかではなく面白いと思う。時の流れが、自分の中の関心が、自分の人生が移ろってきたのと同様に彼もまた別の人生を歩んでいることが面白い。そして私は彼に「可愛くない」と言われたことを、この記事を読むまでスコンと忘れていた。時間薬というものは確かに存在するのだ。もしできるのなら、過去の自分に「いつかその思い出も忘れちゃうくらい些細なことになるよ」と声をかけてあげたい。

 

ミュージカル感想文です。たまに私の書く感想文を「劇評」と言う方がいらっしゃるが、私の書くのはあくまで感想文であり(その中に評価が書かれていたとしても)、劇評ではない。何故かというと、「自分の中にある知識や経験を重ねて観劇するのが好きだから。」の一言に尽きる。劇評はもっと客観的かつ冷静と愛情を持った目線が必要で、私の感想文はあまりにも作品を自分に寄せすぎているではないか。だからこそ感想文として自由に書かせてもらっている。前置きが長くなったが、この記事はその自分と作品の重なりや経験を書けてると我ながら思う。私が読んで楽しい記事。

 

こちらは少し短めの日記。夫と私の会話の話の記事だ。この記事を書いたときよりも夫の目尻のシワは随分と増えている。夫の優しさがよくわかる記事になっている(当社比)。

 

桃は嬉しい。これは世界の真理です。読み直すたびに嬉しい気持ちと「桃…!食べたい…!」と桃に恋してしまう。

 

前の家がまだ大好きなのよ…!

 

以上です。特に順番はない。ざっくりと過去の記事を読み直してみたが、ダラダラ書いている時と「これは!」と思いながら書いている時の差が激しすぎる。反省した。あと、自分は日常のふとした瞬間に目が覚めるような経験をしたことを書くのが好きなんだろうと自己分析できたのはよかったかもしれない。

ブログ歴はもうすぐ9年、記事が232本というわけで、何事も継続すると貯まることを主張していきたい(黒歴史のような文章もそのままにしてあるので、よくも悪くもだが)。

よければこのブログで好きな記事を教えていただけると参考と励みになりますので教えてください。

 

ブログ、楽しいですよ。いいですよ。

 

2022年焼き菓子DIVAまとめ

昨年の焼き菓子備忘録。写真多め。

 

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2022年の焼き菓子1発目はバナナシフォンケーキ。夫の好物なので頻繁に焼く。もっちりとした食感と鼻を抜けるバナナの甘みと芳香がたまらない。今年もいっぱい焼きます。

 

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久しぶりにマフィンを焼くぞと家にあった材料だけで焼いてみる。冷凍ブルーベリーとほうじ茶のマフィンだが、ほうじ茶の香りが弱く、よく分からない味になってしまった。

 

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アールグレイシフォンケーキ。バナナシフォンケーキと比較するとこちらの方が消えてしまうようなシュワシュワとした儚い食感を楽しめる。紅茶好きな人に是非食べてほしい。牛乳によく合います。

 

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キャンプで作ったバームクーヘン。炭火で作ったので煙の香りがほんのりと漂う大人向けのバームクーヘンになった。いっそのことラム酒を入れてもいいかも。

 

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スコーンを焼く。ここから自分の理想のスコーンを求めて毎夜のごとくスコーン祭りが開催されることになった。

 

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スコーンを焼く。生地の立ち上がりが悪い。

 

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スコーンを焼く(レシピほぼ完成形)。

ザクほろ食感が好きで色々と試した結果、全粒粉を生地に加えて無心で手早く作業しつつ、打粉を遠慮しないでつけると上手くいくことがわかった。

 

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台湾カステラ。スフレでもなくシフォンケーキでもなく、フワフワのなにか。卵の味が強くて面白かった。表面が割れてしまったので、火が強すぎたのだと考えられる。

 

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抹茶シフォンケーキ。色はいいが、古めの抹茶を使ったからなのか香りが弱いので反省の余地あり。

 

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色々その1。季節が夏だったので様々な果物を使ったラインナップに。レモンスコーンが好評でした。

 

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はじめてのマドレーヌ。焼きすぎて焦げている。そして焼きすぎなのでパサパサした食感だった。近々リベンジしたい。

 

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友人達との餃子パーティーのデザートとして焼いた。アメリカンチェリーのパウンドケーキにマスカルポーネクリームをのせている。別立て(卵白と卵黄を別に泡立てる)のパウンドケーキは久しぶりに作ったが、上手くいったので安心した。

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生地はフワッとしていて軽いが、しっとりとした食感でマスカルポーネチーズのコクのあるクリームとよく合う。大好評だったのでまた作りたい。

 

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ワッフル。イースト生地のベルギーワッフルが好きなので時間がかかると分かっていながら毎回ベルギーワッフルにしてしまう。

 

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色々その2。金柑を沢山頂いたのでマフィンにも入れてみる。どうなるかと少し心配したものの、ほろ苦さが甘さのある生地と相性がよくて気に入った。

 

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おかずマフィン。コーングリッツを入れた甘さ控えめな生地にキャベツ、玉ねぎ、ベーコンを入れて焼き上げた。朝ご飯に毎食食べてもいいくらい自分好みだった。

 

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かぼちゃのパウンドケーキ。持ってみるとかなり重く、ずっしりとしている。焼きたてよりも次の日の方が美味しいケーキ。

 

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かぼちゃのシフォンケーキ。上手く焼けて可愛い。水分量の調節が難しく、もうちょっとしっとりめに焼き上げたかった…。

 

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色々その3。焼き菓子KIPPO始動(私による架空の焼き菓子屋さんです)。この辺はまた改めて記事を書けたらいいなと思う。かぼちゃのパウンドケーキが好評だった。

 

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おかずマフィン再び。スイートコーンを混ぜ込んで、とうもろこしマフィンにしたのだが、食べてみると物足りなかった。もう少し塩気があってもよかったかもしれない。

 

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色々その4。ホリデーシーズンということでクリスマスを意識したメニューとなった。クグロフが1番大変でドライフルーツをぬるま湯でもどすところから始まったので量産するのは難しいかもしれない。ただその甲斐あって美味しかった。

 

これくらいかな。多いね。そして写真に撮っていない焼き菓子がこれの倍くらいあるので、我が家のエンゲル係数ならぬ小麦粉係数はえらいことになっている。いかんせん、消費量がすさまじいので10kgのものを買おうか迷ったこともあった(保管場所に困るのでやめたが)。

2023年はクッキーやビスコッティのようなつまめるものに挑戦していきたい。

以上、焼き菓子DIVAでした。

 

左手の魔力

1月上旬のただの日記。

昨年はいくつブログ記事を書いたかなと数えてみたら20本ほどだった。毎年のように「今年こそはブログを沢山更新するぞ」と意気込むものの、結局はこのあたりの数に落ち着くのだなと妙に納得する。今年こそは沢山更新したいです(フラグ)。

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新年あけましておめでとうのお年玉を夫からもらった。というのは少しだけ嘘で、実際のところは夫に「お年玉をください。同額のお年玉をお渡しします。」とお願いしてポチ袋を渡し、ただただ同額の紙幣を交換する儀式となっている。意味のない行為だと理解しつつ、それでも「お年玉をもらう」というのはいくつになっても嬉しいのでこれからも続けていきたい。夫も嬉しそうに付き合ってくれるのが、また嬉しい(きちんと裏側に私の名前を書いて渡してくれるのだ)。そんなわけで、今年も夫からもらいました。今年もよろしく。

 

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初売り。初買い出し。そうです。プラダです。

世間のいう30歳記念のプレゼントといふものを我もしてみむとてするなり。と二つ折りの財布を購入した。実際の誕生日は2月ではあるが、年末年始の財布の紐が緩んでいる時にでもないと買わないと思ったのと、今使っている財布が10年ほど使っていることや、プラダの商品全体が値上げしますよと店員さんから言われたことも後押しした。そして実際に数日後に値段を確認すると15%ほど値上げしていたのでラッキーだった。イカした30歳になろうな自分。もし私のイカした財布をお見かけしたら褒めてください。

 

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ペン字を始める。さっきから載せている写真が左手で物を持っているものしかない。なんとなく字が綺麗な人に憧れていて、いつか自分もそうなりたいなと思い、字の書き方本を幾つか読んでみたりしたのだが、ドリル形式の練習はしたことがなかった。よし、買うぞ。俺はやるぞと売れ筋そうだったこちらの練習帖を書店で購入。1日目、2日目と少しずつ取り組めることや500円という金額も良かったな。

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やってみると、ゆっくりと丁寧に気をつけながら字を書くのは集中力がいるもので、写経効果なのか精神がすっと落ち着いて面白かった。強制的デジダルデトックス時間。

 

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花を買う。これもまた左手で持っている写真だな…。今年も花のある生活をするぞと年末に注文した花が届いた。いつものごとくFLOWERのロスレスブーケ( FLOWER|ロスレスブーケ販売中!かわいいが届くお花便 )です。今回もボリュームがもりもりで可愛い。招待コードは FBGY です。もしよければ10%お得に購入してね(そして私も10%お得になります)。

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花瓶に挿しました。ボリュームのある花束を飾るだけでグンと部屋全体が華やかになるので毎回買ってよかったなぁと思う。右のコットンとヒバはドライにしたかったので分けた。FLOWERは、昨年から始めたけれど、かれこれ5回以上利用していて、毎回ブーケのオシャレ度とコスパの高さが自分にとってかなりよくて(オシャレなブーケは高い、ボリュームのある花束は高い)、今年も利用すらだろうなと思う。ギフト対応も始まったみたいなのでいつか贈ってみたりしたい。

 

話題を変えるが、物を持って写真を撮るときってどちらの手で持つのがスタンダードなんだろうか。私は利き手が右手と左手が入り混じる(お箸は左手、書くのは右手、などなど)のだが、基本的に物を左手で持ち、右手でスマホを構えて撮ることが大半だ。皆さんはどちらですか。そして私が物を持って写真を撮るときは、ほぼSNSにあげるのが目的なので、私の左手は右手よりもうんとSNSに晒されている。そろそろ文句を言ってくるかもしれない。でも、私は自分の左手がなんとなく好きなのでこれからも左手で物を持ち、写真を撮るのだ。

 

 

NTlive「レオポルトシュタット」感想 〜 現在とは積み上げられた無数の過去だ 〜

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自分にとって舞台を観ることは、ある意味「自分探し」をすることに似ている。目の前で起きるドラマを観ながら脳内でキャラクターに感情移入しして胸が張り裂けそうになる、かと思えば「ハイハイ貴方はそういう考えなのね。」と軽蔑的な眼差しを送ることも一度や二度ではない。舞台の上で語られる物語は天地万物であり、それを目撃する我々は無限とも言える「もしも」を自分の中で繰り返し繰り返し自問自答しながら観ることになる。もし自分なら?もしあの物語の中に入れたら?もし、そうではない現在があったとしたら?

役者の演技から紡がれる物語、舞台セットや衣装、照明、音楽が融合した空間と対峙するとき、私は確かに自分という人間の輪郭を指でなぞるような感覚を覚えてしまう。

 

そんな感覚を忘れずにいたい。そう強く感じたのが、私の今年初観劇であるNTlive「レオポルトシュタット」である。

 

映画『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞脚本賞を受賞するなど、英国を代表する劇作家トム・ストッパードが、自身の家族の歴史から着想を得て執筆した脚本が待望の舞台に。あるオーストリアユダヤ人家族を、第二次世界大戦までの50年間に渡り描く壮大な家族ドラマ。(公式サイトより)

レオポルトシュタット | ntlivejapan

 

1900年から物語は始まる(うろ覚えなので間違っていたら申し訳ない)。絵の額縁を思わせる舞台セットの中で動き回り、会話を続ける登場人物たちはまるで肖像画の中のモデルのようだ。豪華で巨大なクリスマスツリーを飾り付ける子供たちがなんとも可愛らしい。彼らを見つめる大人たちの目線もまた愛情や責任に満ちており、家族という美しく祝福された小さな社会が血縁という道具を使って構成されているのがよくわかる。そしてまた、家族を構成する人物にそれぞれの複雑な人生があることもこの物語の中で語られていく。

だが、我々は知っている。彼らの一族が、これから先にどんな道を歩むことになるのかを知っている。時代は流れ、オーストリアの帝国時代は「古き良きもの」である遠い過去と成り果てる。不穏な空気が少しずつ確実に一族に影を落としていく。舞台上にいる1人、また1人と数が減り、衣装の色は段々とくすんだものになっていく。美しく祝福されたはずだった家族が、血縁が、逃れられない呪いとなり彼らを苦しめていくのだ。人生と肉体を与えられる際に否応になく同時に与えられる「血」を、時代のありようによって、人々の都合のいいように形を変えて利用されてきた歴史と地続きの中で私たちは生きている。

 

舞台は最後、戦後の時代へと時を進める。残された3人の人物の会話から握りしめた自分の手から血が滲むような悲痛が漂う。生きているはずだった自分の一族、そこから産まれていたかもしれない新たな家族、そして温かな未来。その一つ一つを「アウシュビッツ」、「強制収容所」、「死の行進」という単語1語だけで全てが語られ、物語は終わる。

 

私は何者だろうか。その答えを探している時、額縁の中の彼らが私を見つめている。