ホームベイカーはビヨンセに出会って焼き菓子DIVAになった

今年も最高の企画がやってきたぜ!ぽっぽアドベント

「ぽっぽアドベント?」という人のために説明しておくと、はとさん(@810ibara)によるアドベントブログリレーイベントのことです。毎日違う人たちが、共通のテーマに沿って記事をアップしていくので、「今日はどんな記事が読めるのかな。」とワクワクしながら12月の一日一日を過ごせるんだぜ。詳しくはこちらのツイートから!



本日12月8日担当のKiEです。昨日の山ワンさんの記事も素晴らしかった。私もゲーム好きでFF7のリメイクを10年間待って1週間で40時間プレイしてクリアした女だよ…!!(そしてFF7のためだけにPS4を買って4万円ほど使った)

さて、今年のテーマは「私の望みの歓びよ」ということで、私なりに書いていこうと思う。

 

退職して時間ができた→時間を使わなければ!という焦り

今年はどんな風に過ごしていたかなと振り返ってみると、かなりのんびり過ごしつつも、時間を有意義に使いたくて仕方ないといった矛盾した1年だった。仕事を辞めて、その1週間後には資格を取るために学校に入校し、その学校が終わるころに夫から引っ越しの打診をされ、承諾し、引っ越しまでの期間を勉強をして過ごした。おかげでいくつかの資格を取得することができたものの、無職状態が長く続いていることへの危機感から引っ越し後の1週間後からフルタイムではあるが、アルバイトで働くことにした。よって、朝はゆっくり9時や11時に起きて、家事をしたりしてのんびり過ごしているが、月単位で見ると就活をしたり引っ越しの内見に行ったりと、常になにかをやっているという忙しいような、そうでもないような。何もやっていないわけではないけれど、働いていない期間がここまで長くなるとは予想していなかった。ふと思い立って、友人たちに「ご機嫌いかが。」と連絡をしてみると、返ってきた話題が「家を買った。」とか「昇進した。」とかで、自分から連絡したはずなのに、なんだかひどくいたたまれない気持ちになってしまい落ち込んだ。自分が社会と断絶していると感じた。いつもどこかぼんやりと少しだけ悲しく、少しだけ苦しかった。

 

完全に落ち込んでしまえば、泣くなり喚くなり、ものに八つ当たりするなり出来たかもしれない。しかし、そうではなかった。それなりに楽しく、仕事のストレスもなく、時間の拘束もない。根が真面目すぎるのはわかってはいるが、「私は不器用で、仕事も辞めて、今は何もやっていない人間だ…。」のような暗い気持ちがぬぐい切れなかった。

 

両親への親孝行のついでにNetflixの会員になる

そんな中で、荷物整理のために実家に帰ったとき、両親から「イカゲームと愛の不時着(両方ともNetflixオリジナルドラマで大ヒットしている)が気になってる。」と言われ、私はならばとすぐにコンビニに向かい、プリペイドカードを購入して実家のテレビでもNetflixを利用できるようにセットした。ほら、ここをこうすれば見れるよ。両親は喜んでくれた。よかったよかった。

 

HOMECOMINGを見る

そういえば、台数制限はあるけれど、複数のデバイスNetflixを見れたはず。よっしゃ、私もNetflixを見るぞ。色々あるなー。ライブ映像作品も沢山あるなー。

ビヨンセのHOMECOMING*1あるじゃん!?!?」

わーい!見る見る!!

見た。すごかった。以下、当時の私のツイートである。

HOMECOMINGのおかげで元気モリモリになっていて笑う。何かの作品を見て、感涙したり、楽しむことは今年も少なからずあったが、ここまでパワーをもらったのはこの作品だけだ。大人数のダンサーやバンドを起用し、手や脚を打ち鳴らして荒々しく、そして騒々しく歌い叫ぶ彼らの頂点に圧倒的な存在として君臨しているビヨンセの神々しさと美しくも、地上の果てにまで轟くような歌声。圧倒的なDIVA(彼女を表すにはこの単語が一番しっくりくる)でありながら、ダンサーとしての表現力も凄まじい。この映像作品内で「やりたいことは、人類の代表になること」(やや危険な言葉だとは思うが)と、彼女は話しているが、それが決して冗談ではないことがわかる。各紙で「歴史的」と称されたのも納得の公演だった。

さて、この映像作品「HOMECOMING」では、ライブの映像だけではなく、制作や彼女のオフショットなども挿入されているのだが、出産後(ビヨンセは2017年に双子を出産している)のビヨンセが、初めてダンスの振り入れを行う姿を見ることができる。コーチェラのパフォーマンスを行うために1日に2000kcalという考えるだけでも卒倒しそうな運動量をこなし、更にエクササイズを追加して身体を絞り上げようとする。世界に対する責任を果たそうとする。その体力と精神力のタフさには舌を巻く。すごい…すごいよビヨンセ…。

そして作品はまたコンサート映像に戻る。ビヨンセは観客席に向かって「歌って」と観客に言う、その歌詞は「I'm a DIVA」である。DIVAであるビヨンセ自身が観客をDIVAとして扱っている。

私はDIVA。なるほど。

オッケー!!!!私もDIVAじゃ!!!!だって、ビヨンセが、彼女が言ってるなら私もDIVAじゃん。

そういうわけで早速、ツイッターのプロフィールを変えた。今も記載している。何故「焼き菓子DIVA」かというと、今年はせっせと焼き菓子作りに邁進していたからである。ビヨンセがスーパースターのシンガーとして歩んでいくなら、私も焼き菓子DIVAとして歩んでいこう。そう思った。私にやれることをやろう。私に出来ることで世界を良くしていこう。それが私がDIVAたる理由だ。

焼き菓子DIVAになったよ

なったも何も、こういうのは言ったもの勝ちみたいなものなので、焼き菓子DIVAだと私が言えば、そうなのだ。イエス。元々はコロナ禍でバナナケーキやらパン作りが流行していたときから「いいなぁ…。」と1年間思い続けてオーブンレンジを購入したのだが、その頃には世間のホームベイクブームはとっくに過ぎ去っており、1人で寂しく焼き菓子を焼いてはツイッターにコツコツと投稿していた。

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(今の家で初めて焼いたマフィン。使った材料もホットケーキミックスとサラダ油という簡単なレシピだった。)

 

何事も続けてはみるもので、次第に自分の好みや作り方のクセが把握できるようになり、自信が少しついたあたりで、ツイッターにいる友人たちに声をかけて自分で焼いた焼き菓子を贈るようになった。すると嬉しい反応が返ってくる。

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(最近作ったものたち。自分比だけれどアレンジや生地の扱いが上手くなった。)

 

「美味しい!こんな美味しいものを作れるの本当にすごいね!」

人に喜んでもらえるのは嬉しい。褒めてもらえるのも嬉しい。そして何より、世界に私の好きな人の笑顔が1つ増えたということが嬉しい。

 

焼き菓子はいい。焼けば終わる。成功しようが失敗しようがゴールが必ず来る。それが性に合っていた。生地をオーブンに入れたらあとは祈るしかないのもいい。入れたらやることがなくなるので、洗い物をする時間が自動的にできるのもいい。失敗しても(温度調節でミスをして真っ黒な炭にならない限り)、大体のものは食べられる。シフォンケーキが失敗しても蒸しパンのような味になるだけで、これはこれで美味しい。パン作りが失敗しても薄くスライスしてラスクにしたりパン粉にしてしまえばよろしい。上手くいけば嬉しい。ぶわっと膨らむ生地の様子を見るのは楽しい。オーブンから流れ出る砂糖とバターを混ぜた小麦粉が焼ける、あのなんともいえない甘い香りを胸いっぱいに吸い込むのも幸福だ。ベイキングはリスクの少ない、とても楽しい挑戦である。

是非、この記事を読んだ人にもやってみてほしい。ホットケーキミックスや焼き菓子ミックスは気軽にスーパーや100円均一ショップの製菓コーナーで購入できる。立派なオーブンがなくても、例えば、トースターで焼けるブラウニーやフランスパンで焼けるビスケットもオススメだ。なんなら電子レンジで蒸しパンを作ってもいいかもしれない。(分からないことあれば、私に聞いてくれても全然オッケー!むしろウェルカム!)

 

日々の成功体験の積み重ねとして、この1年間、私の拠り所にしていたのが冒頭に書いた資格の勉強と、焼き菓子作りだ。私は今日も、きっと来年もコツコツと小さなキッチンで焼き菓子を焼く。ビヨンセを聴きながら。私はDIVAであると。少しずつでも世界を変えていけると信じながら。

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(昨日焼いたものたち。友人に送ったので喜んでもらえるといいな。)

 

それでは、文章内でも触れた。ビヨンセの「HOMECOMING」から彼女の言葉を引用して、この記事を終わろうと思う。「じゃあ、この(今を生きる)世代への助言は?」という質問のビヨンセの答えだ。

真実を語ること

まず自分に

そして子供たちに

 

今を生きること

過去を否定しないこと 

 

この国を今より良くする責任が

自分にあると知ること

私の望みの歓びよ。それは焼き菓子が上手く焼けること。そして世界がほんのちょっとでも明るくなることです。

 

ビヨンセのホームカミングはここから見れるよ!よろしくお願いします。ケリーもミシェルも出てくるよ!デスティニーズ・チャイルドだよ!

HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

そしてそして、明日のぽっぽアドベントの担当は王谷晶さんです。引っ越し、インテリア、生活をするということらしいので、年末に引っ越しをする私は今から読むのをウキウキしております。楽しみ!

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。私は明日シュトーレン作りにチャレンジします!ハッピーホリデー!

 

 

*1:ビヨンセが2018年に行ったコーチェラ・フェスティバル公演のこと。広範囲で圧倒的な称賛を受け、数々の有力紙が「歴史的」と評価した