オーブンと私

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オーブンがあればこんなのも焼けるのだ。

 

家にいる時間が急に増えた去年。私のタイムラインもパン作りやケーキ作りに精を出す人が増加し、毎日のように流れてくる美味しそうな写真に「いいなあ。」と指を咥えていた。我が家にはトースターと電子レンジくらいしかない。工夫すれば焼き菓子やパンも作れるかもしれないが、私にはそこまでの熱量はなかった。ならどうするか。

 

オーブンを買った。

買ったのはこれである。

 家庭用で火力が一番強いタイプなのが気に入った。求めている条件が

過熱水蒸気オーブン

・火力が強いもの

だったのでこれにした。扉を開けると上部が石窯のように丸くなっているのも好きだ。パン工場ジャムおじさんな気分が味わえる。最新モデルではないが、いわゆる「クッキングメニュー」は、ほとんど活用しないのは目に見えているのでこれで丁度いい。排気口(熱気を外に逃がすところ)が外側の上部に付いていて、周りとの距離を取って置かなくてもいいのも嬉しい。

 

さぁ、焼こうではないか。小麦粉やバターを揃えてコツコツと焼く。毎週のように焼く。電動泡立て器やケーキ型を少しずつ揃えてまた焼く。その頃には、とっく世間の「おうちで焼き菓子ブーム」は去っていて、少しだけ寂しい思いをしたのは内緒である。

 

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今日はシュークリームを焼いた。10年ぶり以上に焼いたがアッサリ成功してしまって笑った。よくお菓子作りの最難関といわれるシュークリームの生地作りだが、結局のところオーブンの性能がモノを言う気がする。普通だと面白くないので、上に砕いたアーモンドとグラニュー糖を振って焼いてみた。中身はカスタードとホイップクリームを2:1くらいで混ぜたクリームを詰めます。粉砂糖は家で食べるだけだから振らないこととする。

 

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その前は焼豚を作った。今井真実さんのレシピです。豚肩ロース肉を100℃90分で焼いてタレに漬け込むだけの簡単さ。八角が得意ではないのでシナモンを少量入れて漬け込んだ。肉の旨味がギュッとしていてとても美味しい。

 

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メロンパンにも久しぶりに挑戦した。なんとなくレシピに沿って作っていたら16個も出来てしまった。小ぶりながらもその個数がズラリと並ぶと圧巻で「なんで16個も焼いたんだろう」と自分で焼いたのに後悔することに。それから暫くは朝ごはんにメロンパンを食べ、おやつにメロンパンを食べ、小腹が空いたらメロンパンを食べる生活だった。それはそれで楽しかった。

 

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冒頭に貼ったクマクッキーは型抜きクッキーのレシピではなくサブレの生地で作ったので扱いづらく大変だった。クマは可愛いね。それにしてもクッキーを焼いているときの休日感がすごい。娯楽感がある。

 

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クッキーを作ったら卵白が余るのでメレンゲクッキーも作った。砂糖菓子に似た強烈な甘さがある。レモン汁入れればよかった。

 


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これはミニトマトを大量にゲットしたので作ったセミドライトマト。味が濃くなって美味しい。パスタにして食べた。

 

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スコーンは既に何回も焼いていて、だいぶ自分好みの食感に作ることが出来るようになった。生地をしっかり休ませることと手早く作業することが必要。

 

実を言うと、私は新たな趣味として焼き菓子ではなく刺繍がしたかった。ちゃんと刺繍キットも買ったし挑戦はしてみたけれど、変に力が入りすぎてしまうのか、肩こりが尋常じゃないし(次の日に背中に激痛が走るほど肩が凝っていた)、目も疲れるので断念してしまったのである。そこで、久しぶりにしてみたのがオーブン生活というわけである。

オーブンはいい。粉やら何やらを混ぜてオーブンに入れればあとは祈るだけだから。炒め物のように常にフライ返しでフライパンの中をかき混ぜなくてもいい。オーブンに入れている時間に面倒な洗い物を済ませておくこともできる。そして失敗したとしても、ある程度のものは美味しく食べられる。

オーブンは今日も静かに私のキッチンにいる。「さぁ、頼みますよ」と私が天板を入れるのを待ってくれている。今度は何を作ろうか。