個人的2022年所感

 

今年もまばたきする間に終わってしまうなぁ。と、なんだか焦り半分、諦め半分の気持ちを抱きながら豚バラ肉のブロックを大きめに切り、生姜のスライス、ネギの青い部分やら醤油やらを放り込んで豚の角煮を作っている今現在である。何故作っているのかというと、実家に帰省する時のお持たせと年始から忙しく働く夫の為の作り置きご飯の為である。なんという良い妻。なんというグッドヒューマン。素晴らしい。

さて、角煮はさておき、今年の総括を考えると、どうしても「暇」という言葉が浮かんでしまう。それくらい暇を持て余していた1年だった。2022年が終わるということは、私が夫の地元である滋賀県に引っ越して1年ということである。

滋賀県は暇である。と書くと滋賀県民に琵琶湖に沈められそうになるので、書かないが、引っ越し先に慣れていない期間があまりにも長く、こちらで新たなる娯楽を見つけることもなく、家と職場をただ往復するだけの毎日を過ごす毎日。それに心底うんざりしていた。暇すぎるので資格でも取るかとFP3級の勉強をして取ったりもした。偉い。

逆に夫は地元に帰ってきたことや、キャンプという新しい趣味を見つけてイキイキと過ごしていた。それはそれで私も嬉しく見守ったりしつつ、自分も参加してみたりもしたのだが、うっすらと不満が砂時計の砂のように少しずつ少しずつ溜まっていき、「どうして貴方は車で自由にあちこちに行けて遊んでいるのに、私はずっと家にいなきゃいけないのか。」と、とうとう爆発してしまった。詳しくは書かないが、この爆発が12月目前の出来事だったので、私は不満や要求を言語化して伝える訓練をした方がいいと反省している。(夫のことは昔も今も大好きである。BIG LOVE )

そんなわけで、どっぷりとハマるものも特になく、かと言って何か他のものに時間を割いて過ごしているわけでもなく、ただ漫画アプリやSNSで時間を溶かして1日1日を過ごし、それがまた「私は何もせずにスマホをいじっているだけの人間…。」のような自己嫌悪にリンクしてしまい苦しい毎日が続いた。

なんとか仕事があったから、かろうじて人間としての形を保っていた気がする。無理矢理にでも朝に起きて仕事をして、帰って家事をして寝ることに救われていた。夏と冬に結構大きめ(当社比)の仕事があって、それに関われたことや、周りの人たちに恵まれていたことは本当にラッキーとしか言えない。新卒で入った会社では上司に「俺に気を遣え、俺に営業しろ。偉そうにするな。」と言われていたのに、今の会社では「よく気がついて、どんな人の前でも明るく話せて偉いね。」と言われるのだから、人生わからないものである。

人生わからない。とまで書いて、そういえば義祖母に「貴方は人当たりが良いから、どこでもきっと大丈夫。○○(夫)をよろしくね。」と言われたことを思い出した。ついこの間、実家に帰ったときに親から「貴方は愛想が悪くて気難しいから心配。」と言われた、私が、である。驚いたのと同時に、「あぁ、私は両親が知っている子どもではなくなってしまった。」と、突然どこか知らない場所に置いていかれてしまったような困惑を覚えた。

自分のことは自分が1番よく分かっているつもりである。何が好きで、何が嫌いか。どんな性格で何か得意なのか。しかし、この義父母と両親の言葉でさっぱりわからなくなってしまった。いわゆる「外面が良い」に集約されるのはわかっているのだが、どうにもこうにも座りが悪い。急に知らない他人が私の皮を被って好き勝手しているような気持ち悪さを感じる。お前はいったい誰なんだと手鏡を取り出し、しげしげと眺めてみるものの、そこに映るのは見慣れた自分の顔である。吹き出物がポツポツと頬にあるのを確認して手鏡を仕舞った。今度どこかで良いスキンケアを買おう。

私の知らない私が知らないうちに出来上がり、知らないところで愛想を振り撒き、いつの間にか「元からいましたよ。」のような顔をして私の中に鎮座している。これは恐ろしいことでもあり、面白いことでもある気がした。余談ではあるが、引っ越しのストレスなのか転職のストレスなのかは分からないが1年前と比較して5kgほど痩せたのも書き残しておく。フィジカルでも知らないうちに変化していたのである。

毎日同じことの繰り返しをしていたはずが、少しずつ私は変化していた。いやはや。

激動の時代の中に生きているのだから、否応にも変化していかないと生き延びれない。そんな苦しい世界で我々は今年1年も生き延びた。目の前で過ぎ去っていく1分1秒は間違いなく歴史を綴っていく。

それではここで、今年行った博物館に掲示されていたこの言葉を置いて、この記事の締めくくりとしよう。

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きっと来年の私も、今の私が知らない私になっている。

 

 

#わたしの2022年・2023年にやりたいこと